救急 ページ13
丈一郎side
学会終わりの帰り道、スマホが震えて画面を見ると “ 大吾 ” の文字。
何かあったかと思って通話ボタンを押すと、いつもより少し慌てた大吾の声が聞こえて、恭平が発作起こして意識がなく救急車を呼んだ、との事だった。
丁度施設から最寄りの駅を降りたところやったから、大吾に電話で処置の指示を出して、走って施設まで向かう。
「大吾！！」
「あ、丈くん！」
施設に着くとちょうど救急車にストレッチャーに乗せられた恭平と大吾が乗り込む所で、大吾に駆け寄る。
「すいません、この施設の医師の藤原です」
「あ、藤原先生ですね」
「連携病院までお願いします。俺このまま乗って行きます」
救急隊の方に大吾がかかりつけの病院と恭平の状態を伝える。
「大吾は後から病院来て」
「あ、はっすん熱出しとるから行けへんねん...」
「あ、まじか...。じゃあとりあえずみんなで施設で待っとって。落ち着いたら連絡するから」
「うん、恭平よろしく」
大吾も後から病院に着いてきて貰おうと思ったけど、いつの間にか大橋も熱を出していたらしく、今日は病院に来れなそう。
とりあえず俺は恭平に付き添って、救急車に乗り込んだ。
少しして救急車が動き出して、車内は慌ただしく恭平の処置に追われている。
「倒れた経緯とか分かります？」
「いや、ちょっと分からなくて...」
「そうですか...。喘息の症状出てからしばらく経ってるみたいなので、長時間発作を起こしたままだった可能性が考えられます」
「そうですか...」
何がどうなって恭平が今こんな状況になっとるのか全く把握しとらんくて、医師なのに情けないな...と反省する。
でも発作起きたとしても誰かしら初期対処出来たはずやのに、こんなに酷くなるか？
長時間吸入もせずに放置してたんやろか？
色々な疑問は浮かぶけど、結局俺がどうすることも出来なくて救急隊の方が慌ただしく動くのを目で追う。
「降ろします」
数分でいつもの連携病院に着いて、恭平はまだ意識の戻らないまま酸素マスクを付けてストレッチャーで運ばれる。
何回もこの病院には来とるけど、救急の入口にはまだまだ慣れへんくて緊張が走る。
「恭平、大丈夫やからな...」
「藤原先生はこちらでお待ちください」
「あ、はい...」
ストレッチャーに乗る恭平の手を握りながら、根拠の無い大丈夫を恭平に伝えて処置室の中に入っていった恭平を見送る。
とりあえず大吾に連絡しておこうと、一度病院の外に出て電話をかけた。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
