昼食 ページ2
西畑side
名前が呼ばれるまで数時間待った待合室とは対照的に、レントゲンや診断はものの数分で終わり、また会計までの間を長らく待つという休日診療ならではの混み具合を久々に味わう。
病院前でタクシーを捕まえ、施設の住所を伝えると窓の外を眺めた。
結局レントゲンをしても骨に異常はなく、捻挫との判断で大袈裟に手の平の方までご丁寧に白い包帯でぐるぐる巻きにされた。
タクシーに揺られてふと時計を見ると、気がつけば時刻は昼の12時半を示していて、長らく施設を留守にしていることに少し焦る気持ちを抑える。
今日は体調崩してる恭平が居るし、俺が病院行っとる間は丈くんワンオペでみんなのことを見なあかん。
そんな大変な状況やのに、帰ってもあまり即戦力にはなれへんような包帯に巻かれた右手を見つめる。
「...はぁ」
恭平がこんなん見たらまた自分責めるやろうに...。
こんな大袈裟に包帯されとる自分を憎んだ。
「ただいまー」
しばらくして施設に到着すると、慣れない左手でドアを開けたり靴を脱いだりする。
ホールに入ると丁度昼食の時間で、みんな揃って食べていた。
「あ、大吾。おかえり」
「大ちゃんおかえり〜」
「ん、ただいま。ごめん遅なってもうて」
学生たちの元気な挨拶を聞いて、とりあえず長時間施設を空けていた事を丈くんに謝る。
「全然ええけど...何、骨折なん？」
そう言って丈くんが怪訝そうに見る先は包帯の巻かれた俺の右手で、学生たちも気になっている様子。
「んーん、捻挫やって。全治2週間。一週間後にまた病院来いってさ」
「あ、骨折やなかったん。それなら良かった」
丈くんに説明しながら上着を脱ぐけど、包帯を巻かれた手首が思ったより回らんくてボタンを外すにも一苦労する。
「捻挫くらいで大袈裟やねん。さっきみたいに手首だけ包帯巻いてくれればええのに、手の平までガッチリやで？しかも白い包帯やし...目立つわ〜」
独り言をグチグチ言いながら左手と右手の指先だけを洗って、キッチンに用意された丈くん特製のチャーハンをテーブルに持っていく。
「いただきまーす」
みんなの輪に入って一人で食前の挨拶をしてからチャーハンに手をつける。
「大吾くん、手痛いっすか？」
「んー？もう大丈夫よ。包帯されとるし...利き手やからちょっと扱いにくいだけ」
「ほんまごめんなさい...俺のせいで...」
「やから、恭平のせいちゃうって！気にせんで！笑」
そう言ってまた落ち込んでしまった恭平に笑いかけた。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
