◆*Unhappy Wedding*◆【K.Ninomiya】Part5 (ページ22)

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☆『A』

☆『女の子は、誰だってお姫様になれるの』

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お母さん。

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“桐野さん家の奥さん、病でお亡くなりになられたらしいわよ…”

“母親が先に逝くなんて…お子さんも可哀想ねぇ”

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私ね。

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ずっと、思ってた。

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肉親の片方を失って

家計はどれだけやり繰りしてもギリギリで

一苦労、二苦労してようやく１日を生きていて

“お姫様”になれるのかな、って。

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決して豊かではない、

貧しさの極まり…人生のドン底を

嫌と言うほど経験した“不幸せ”な生活を過ごす私に

“王子様”なんて現れない、って。

ずっとずっと…思ってた。

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和「…おい、黙ってないで返事。ま、聞かなくても分かるけど…」

「…っ…」

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ドサッ

和「？！Aっ…重い！降りろ…！」

「、カズ、カズ。かっ…！！」

和「…」

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だけど、違ったよ…

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財産とか、地位とか

私の気にしていたそれらは

自分自身を僻(ひが)んで

カワイソウな子だとワザと思い込ませる…

単なる道具にしか過ぎなくて。

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私はもっと…信じるべきだったんだね。

周りの人達のこと、

あなたのことをーー………

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泣き崩れて自らの体に覆い被さった私を

カズは鬱陶しそうにしつつ、

ギュッと…両腕で抱き締める。

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「っ…二度と、突き放さないでよっ…」

和「言われなくてもそのつもりですが？(笑)」

「、ムカつくっ…！カズなんか嫌いー…」

和「残念。俺は…」

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和「愛してる」

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きっかけは、1通の赤い封筒。

全てはそこから始まった。

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“極貧”で最低の日々も

あなたとなら最高のセカイに変えられる。

時に幸せ、時に不幸せな

アンハッピーの…毎日に。

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和「んじゃ、挙式披露宴は後日にして…今夜はやりますか？」

「や、やる…？」

和「夫婦の営み」

「っ！？」

和「偽嫁期間は終わったんだし。オトナの階段、登んなきゃ……いでっ！！」

「こんの……スケベ新郎！！」

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◆*Unhappy Weeding*◆ ーーFinーー

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