◆*Unhappy Wedding*◆【K.Ninomiya】Part5 (ページ21)

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「…、…カズ……」

和「2週間の実家生活で体重が増えたと思ったけど…サイズはギリセーフだった感じ？(笑)」

「っ、全然セーフだし！！そりゃちょっとは太ったかも知んな…てか、女の子に言うこと？それっ」

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“え、お前オンナだったっけ？”

そう、クフフ…と口角を斜めにあげて

私に笑いかける彼を見る限り、

別れを告げた時の面影はちっとも残っていなくて…

戸惑いを隠せない私は

おずおずと、あなたの声に耳を傾けるしか出来ない。

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和「俺さぁ、断ったのよ」

「断った…？」

和「菓子会社の令嬢サンとのお見合い」

カズは私の台詞に重なるように

宙を見つめながら口を掛ける。

…私と視線は絡まずに。

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「な、…何で！？」

和「だってあの女、すっげー自己中なんだもん。だから」

「自己中って…」

和「それに毎晩、『和也さぁん、抱いて？』って寝室に入ってくんの。しかも裸で…

さすがの俺も許容範囲を越してるし。キスは最高だったけど(笑)」

「そんな小さな事…結婚すれば幾らでも消せるじゃない。なのに、どうして…」

私との婚約を破棄したいくらいに惹かれた女性。

簡単に手放すだなんて…考えられないよ。

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和「理由は一つ。俺は既に出会ってたの」

「え……」

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和「運命の女に」

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トクン…

脈動が動き出す。

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和「その女は、金もない。家もボロボロ。冗談をすぐに間に受けて赤っ恥をかく…典型的な“極貧”」

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トクン…トクン……

期待したらダメなのに。

いけない。勘違いしてしまう。

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和「…でも、そいつは俺に真っ直ぐにぶつかってきてくれた。ひたすらに素直に、俺の立場なんか関係なく。

そして教えた。誰かを想う気持ち…大事なものを守る大切さを。

気付いたら頭から離れなくなってた。そいつのことが」

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あなたは私の足元に跪き。

彼の左の手のひらが、私の右手を取る。

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和「初めに言っとくけど、拒否権はない」

「ぃ…意味不明！話の展開が早すぎ…」

和「あの“契約”は無効だ。素直に受け入れろ」

「主語！！…私、頭良くないから分かんないっ」

和「あーっ、面倒くせぇな！！これだからバカは…要するに…」

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和「結婚しろっつーこと！」

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