◆*Unhappy Wedding*◆【K.Ninomiya】Part5 (ページ18)

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◆｡*108【side Sho】ページ18

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翔「…」

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*「君だったんだろ。翔坊」

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ギシギシ、と古びた木製の板を歩き、

障子にもたれていた俺に

おじさんが静かに声を掛ける。

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翔「…何の事ですか？」

*「二宮くんに俺達の生活費を賄ってほしいって頼んでくれたの」

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翔「…俺じゃありませんよ、おじさん」

*「え？」

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翔「あれは…アイツから提案したんです」

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翔『それが‘代わり’って…いいのかよ？』

和『お前にとっちゃ、金で解決しようとするなんて汚いと思うかも知んねーけどな(笑)』

翔『別に俺は…しかもAには黙っておくんだろ』

和『一生隠しておくつもりなんてサラッサラない。時が来たら親父さんに打ち明けてもらうし』

翔『…何でそこまで…』

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和『…区切り』

翔『…え』

和『あの女は俺が口先だけで言ったと思ってるだろうけど…

最後くらいはしっかり男見せたいじゃん？だから』

翔『、二宮…』

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和『後は全部任せた。…撫で肩王子』

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ﾌﾞﾛﾛﾛﾛ……

*「な、何だ？！この音…！！」

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昴「父さんっ！！」

激しいプロペラ音と小刻みに揺れる家の中に

まるで感化されるかのように

二階から降りてくる昴達。

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龍「お姉が連れて行かれた！！ヘリコプターでっ！！」

*「ヘリコプターで？！誰に！」

くるみ「のみやなりにっ！窓からアラシマンみたいに出てきて…っ」

*「のみ、…何だって？」

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プッ。

やり取りを横手で聞いていた俺が吹き出すと

半ばパニック状態に陥った彼らがキョトンとする。

でもダメだ。止まらない。

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昴「翔兄ちゃん…？」

翔「あー、ヘリでさらいに来るとはなぁ。度肝抜かれたわ…ハハッ」

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『…翔ちゃん…』

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君にいつしか返却された

銀色の指輪を人差し指で回し、俺は呟く。

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A。

俺はやっぱり、君の王子様にはなれなかった。

俺が本当になるべきだったのは…

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愛しい女の子の『しあわせ』を

命を掛けて守る…君に一番近い存在の、‘騎士’だったんだ。

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