◆*Unhappy Wedding*◆【K.Ninomiya】Part5 (ページ17)

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"ちょうど俺が神奈川にいて、そろそろ帰ろうとしてた時か。社長くんから電話が掛かってきたんだよ"

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ｶﾞﾁｬﾝｯ

くるみ「Aお姉ちゃんっ！」

昴「どうしたの？！」

龍「ねぇ！！開けてよっ！！姉ちゃんっ…！！」

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"向こうの都合でお前と離婚する事になった、その一報から始まって…"

「……っ……」

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*『"巨額の生活費を支給"…本気で言ってんのかい？』

和『はい』

*『そんで、Aには秘密にしておいてくれって…』

和『永久ではありません。彼女が何らかの偶然で気付いたら、遠慮なく暴露して下されば結構です。

その時までは…どうか、目を瞑っていて頂けませんか？』

*『二宮くんがそこまで言うなら…』

和『ありがとうございます』

*『しかし、娘と縁談を切ったんだろ？何でまた、んな面倒をみて下さるんだい？』

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和『…"契約"をしたんですよ』

*『"契約"…？』

和『彼女と…もう一人、僕がお嬢さんを託した人物と』

*『それって…』

和『あなた方の今後は私達が敬意を表して保障します。ただ、一つ…お父様"にも"お願いしたい』

*『お願い？』

和『…Aさんを』

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和『…これまで以上に、"幸せ"にして下さい』

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カズのカバ。

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あれだけ無理矢理、私と別れておいて

最後の最後に…こんな…

意味分かんない。

黙ってコソコソ、良いコトしちゃって。

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「生活費なんて…冗談だと思ってたのに…」

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虎太郎「姉ちゃ」

「、虎太郎…」

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いつの間に入って来たのだろうか。

幼い背丈がヨタヨタ、と近付き

私の小指を力強く握る。

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虎太郎「おば、け」

「、…」

虎太郎「姉ちゃ、泣いてる。お直し、チクチクして直そ？おばけ…」

「…こた…っ…」

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ごめんね、虎太郎。

"おばけ"はね、お姉ちゃんにはお直し出来ないの…

そう彼に応えてあげたいのに

嗚咽が止まらず、上手く話せない。

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カズ。

私はただ、あなたに。

……あなたにーー………

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#「すっげー顔…それでも女かよ？(笑)」

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その声は、ベランダの外から聞こえた。

…ヘリコプターの騒音と共に。

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