◆*Unhappy Wedding*◆【K.Ninomiya】Part5 (ページ12)

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『…俺と、結婚して下さい』

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「……え…」

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頭が回らない。

状況が把握出来ない。

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私、今、翔ちゃんにプロポーズされたの？

シルバーリングを渡されて…それで。

…それでーー………

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翔「…もちろん、Aには若干なりとも腹は立ったよ」

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声に詰まる私を見かねた翔ちゃんは

困った笑みで話を再開する。

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翔「俺に言ってくれなかったのも"俺が頼りないからなのか"とか…スッゴく悩んだし」

「…」

翔「ま、第一、二宮とは身分も何もかも違う。ヤツに比べれば俺なんか無力に決まってんだろうけど…」

「、それは違うっ！」

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「…翔ちゃんは無力じゃない…」

翔「、A…」

「翔ちゃんはいつだって…私や昴達の"支え"なの」

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小さい頃から、そう。

色んな部分を、他人にも相談出来ないトコを

あなたは陰ながら…私や家族を助けてくれて。

もっと言えば、私がSOSを発する前に

困った要因を察知して

『どうした？』って駆け寄る。

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血は繋がってない

ただの"ご近所さん"でも

あなたは…私の、欠かせない存在。…絶対に。

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翔「…戻ってこないか？A」

「、戻る…？」

翔「昴達の元へ…桐野家に」

思わぬ彼の提案に

私は驚き、慌てて拒んだ。

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「む、無理だよ…そんな、」

翔「俺から二宮に話は付けとく。荷物も業者に頼んで持って来てもらう」

「…だけど……」

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『……ゲーム、スタート』

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翔「…"契約"のことなら、大丈夫」

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翔ちゃんの大きな両手が

私の二つの拳を優しく包む。

そこから感じる彼の体温が

じわりじわりと…心の震えを落ち着かせる。

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翔「Aはもう心配しなくていい。後は、俺に任せて」

「…翔ちゃん…」

翔「"これ"もすぐに返事は要らない。じっくり、答えを出してほしい」

翔「…Aが背負ってる、大きな荷物」

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翔「…俺に、半分担がせて」

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カズと交わした"契約"の

一体、何が『大丈夫』なのか…

聞きたかったけれど

この時はただ、あなたの瞳を見つめることしか出来なかった。

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