◆*Unhappy Wedding*◆【K.Ninomiya】Part5 (ページ11)

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翔「チューハイでいい？今、それしかなくて」

「、うん…いいよ。何でも」

翔「つまみはササミとサヤエンドウで許して(笑)」

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"じゃ、乾杯"

翔ちゃんはグレープフルーツ、

私はピーチのそれを封切り

のど越しへ一気に注いだ。

豪邸で飲む著名で高額なブドウ酒とは全く異なる

懐かしい……ココロが憂いに染まる、不思議な味わいがする。

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翔「…先に話してもらってもOK？」

「…翔ちゃん、」

翔「そっちの方が長くなると思うし。ゆっくり、教えて。Aの口から…」

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私はやっとのことで口を開いた。

そうして、打ち明けた。

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翔ちゃんに言えなかったこと。

ずっと、言いたかったこと。

言わなければならなかったこと…。

全部、全部、息を付く間もなく話した。

彼は時々、頷き

時々、私から視線を反らしても

最後まで柔らかい表情で応えてくれた。

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「っ…黙って、嘘を付いて…本当にごめんなさい。

あの日も勝手に逃げちゃって…せっかく翔ちゃんに言う機会だったのを…」

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気が付けば、滲む視界。

絶え間なくカウンターに落ちる粒の雨。

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水に流してもらえなくてもいい。

例え今後、あなたと関われなくても

謝罪の一言は…ちゃんと、届けるって決めたから。

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ﾎﾞｿ
翔「…一文字一句、"ヤツ"と一緒とはね」

「ぇ…？」

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翔ちゃんは一つの木箱を

私の手元に置く。

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翔「開けて」

「、え…」

翔「いいから」

「う、うん……」

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「、っ……コレ、って……」

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お店の証明で

目映い輝きを放つ

一組のシルバーリング。

よく見てみると

真ん中に赤色のストーンが嵌め込まれていて

銀色の輪に見事に映えていた。

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翔「A、昔、言ってたよな。『いつか、自分にも王子様が現れないかな』って」

あなたの笑顔が

"オトコノヒト"の顔に変わる。

停止していた鼓動が動き始める。

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翔「指輪は"そのまま"の意味だよ」

「っ、…」

翔「俺が君の王子になりたい。他の誰でもなく…二宮でもなく、俺が」

「、しょ…」

翔「…A」

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翔「…俺と、結婚して下さい」

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