【派生作品】レモンハートの子守唄 (ページ4)

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友達になろう？ページ4

僕は今日も職場に来た。本当なら人間がうじゃうじゃいるところになんか来たくないけれど、仕事をしないと生活ができないし、兄弟を困らせてしまう。だから僕は今日も僕のデスクの前に座る。
　枢軸省で働く、といってもどんなことをすればいいのかは、いつまで経っても良くわからないままだ。今はまだ仕事を教わる段階だからだろうが、指図されるのはあまり好きじゃない。かといって、好き勝手にやってまたクビにされるのも嫌だ。もっと何か、僕を不愉快にさせないようなものはないだろうか？
　そんなことをぼんやり考えていると、誰かが僕に話しかけてきた。

「あんた、新人さんだよね？」

「……誰だ、アンタは」

　僕より背の低い女が、座っていた僕の肩に手を乗せた。彼女には少し大きめなパーカーが印象的だった。彼女はツインテールの頭を掻くと、気怠げに言った。

「あたし？……あたしはアイリス・アルバ。あんたとおんなじただの職員。で、あんたは？」

「入省した日にヴァクセナーから聞いただろ」

「あー……あたし、あんまりこっちには顔出してなかったんだよね、最近は。てか、初対面の人には名乗るのが礼儀ってもんじゃないの？」

　……説教くさいやつは嫌いだ。
　返事をするのも面倒だが、ここで無視したらさらに面倒なことになりそうだ。

「……僕はフォード・クラレンスだ。満足したならさっさとどこかに行け。僕は誰かとつるむのは好きじゃない」

「ふーん」

　アルバは返事をしたものの、僕の傍から離れてはいかなかった。