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渡されたエプロンを装着して、邪魔になるであろう髪を耳の上で一つにまとめてやる気を『ふんぬっ』と出した私に安室が近づく
「良かったら僕が教えますよ、僕もAさんと同じアルバイトですし」
「はわ…よろしくお願いします」
人の良さそうな笑顔を浮かべる安室さん。
ずっと思ってたけど顔が良すぎる
前世で一体何をしたらこんな美しくなれるのだろうか。あっ、いい匂いがする…
今日生き延びられるかな……
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「一旦休憩にしますか。すみません、Aさんの吸収が早くてつい一気に進めてしまいました…」
「……いえ、大丈夫です!安室さんが分かりやすく教えてくださったのでいくらでも覚えられそうです」
「それは良かった。あぁ、そうだこれ食べちゃいましょうか」
『これ』とはハムサンドである。評判が良く、ポアロで働くからにはこれくらい作れるようにならねば、と教えてもらった。
確かにハムサンドを作っている最中にやたら触ってしまったけれど、安室さんのなら出しても皆々様にはご褒美なだけでは、とAは思いました。(作文風)
『いただきます』と自分が作った少し形が歪なハムサンドを食べる。美味しい。
「そう言えば、『踏み絵』ってなんですか?」
「ん゙」
『やけに視線を感じるな〜』なんて思っていたら安室さんから爆弾が投下された。パンが変な所に転がって思いっきり
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です…」
お水を貰って、流し込む。
おばあちゃんが川の向こうで手を振っていた気がする
「私、勉強不足で安室さんの事を存じ上げなかったんですけど…面接の際に『この人の絵を踏めるか』と店長に言われまして…それで安室さんファンを炙り出すそうです」
「……へぇ」
(自分の知らない所でそんな事が行われていたとは…
いや、そう言われると少し前に『安室さんお給料増やすからちょっと踏ませてもらっていいですか』なんて聞かれたような気がする。徹夜明けできちんと聞いていなかった自分にも少し非があるかもしれない…)
急に黙ってしまった安室さんが、徹夜明けの頭でそんなことを考えているなんて私は知る由もなかった
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作者名:うみゅ | 作成日時:2019年4月30日 23時