私の平凡返しなさい《宮侑》3

107 ページ7

.





結局それから数日たち。
今日は終業式の日。




あれから特に進展もないまま長い長い冬休みを迎えようとしていた。



今日もしっかりと寝坊をした私は遅刻ギリギリの時間に教室へと滑り込む。



『っ…セーフ、、！』




……ん？私が遅刻ギリギリで登校してくることはよくあるはずなのに


今日はやたらクラスメイトからの視線が刺さる。





「おい、藤咲さんきたで」

「ほんまや」

「どうすんのやろ」





そしてあちらこちらから聞こえるヒソヒソ声。





…って、あれ？


何やら私の机に誰か座って＿＿






『…は、


ちょっと何してんの？』






そう、現在私の机には宮侑と言う男が座っている。



しかも呑気にスピスピと寝ているではないか。





…自分の教室と勘違いしてる？





だとしてもピンポイントで私の席に座ってるとかありえる？




朝から情報量が多すぎて頭がショートしかけてる私に眞衣がニヤニヤしながら話しかけてきた。






眞衣「うちが来た時からやで、


朝練終わりに疲れたから寝とるんとちゃう？」






ああ、そういうことか。



って納得してる場合じゃない。






『ちょっと！侑起きてよ！


終業式始まるし』





そう言いながらゆさゆさと大きな体を揺すると案外直ぐに目を覚ました侑。





侑「んーはよ」




いやだから、はよじゃないでしょ。

因みにこのやりとり2回目だからね。






『侑の教室隣なんですけど』



侑「知っとる」



『は？』




…相変わらず意味がわからない。





『じゃあなんで私の机で寝てるの？』






侑「明日19時、駅前


遅れよったらどうなっても知らんから」





『…え？ちょっとあつ』






それだけ言うと私の言葉を遮るようにして

じゃ、と教室から出て行ってしまった。





いや、明日って冬休み初日なんですが……。

108→←106

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す