4 ページ4
.
翌朝、何故か自然と目が覚めた。
いつも休みは何も予定がなければ、お昼くらいに起きちゃうのに。
自分の家じゃないから、かな?
何も音が聞こえないから、まだ宮近は寝てるんだと思う。
「宮近、起きてる?」
話しかけてみたけど、無反応で。
寝てる顔が見たくなって、少し覗き込む。
あれ、宮近ってこんなに顔綺麗だった?
ほっぺツルツルだし、なんて思ったら好奇心で進む手。
肌に触れた瞬間、手首を掴まれた。
「わ、」
「…なに、してんの」
「ごめん、起こした?」
「ん、だいじょうぶ。Aおはよ、」
「おはよう」
ふあぁ、って大きな欠伸をしながら起き上がる宮近。
でも何故か左手で私の手首を掴んだままで。
離してよ、って言ったらグイッと引っ張られていつの間にか隣に座っていて。
すごく自然に宮近の頭が私の肩に乗る。
…もう、朝から近いよ。
「なんか幸せ」
「なに、急に」
「朝起きて1番にAの顔見れたから」
「ばか、なに言ってんの」
「言葉にしないとAには伝わらないってわかったから」
そう言って、宮近はクスッと笑う。もう、なにその余裕。
こっちは朝から心臓の動きが早い。
「今日の予定は?」
「ない、けど」
「ふっ、寂しい女」
「は?」
「冗談だって。…デート、しよっか」
あぁ、もうダメだ。
浮気されてあんなに腹立ってたのに、もう私は宮近でいっぱいで。
さすがに切り替え早すぎない?なんて思いつつも、
今は宮近と一緒にいたくて。
うん、する。って頭で考えるより、言葉が先に出ていた。
「でも、一回帰っていい?服着替えたいし」
「ん、じゃあ、俺準備する。Aの家寄って、車でどっか行こうか」
「うん」
私がそう答えると、すぐに立ち上がって着替えに行った宮近。
私も顔を洗って化粧をする。
「お、眉毛増えた」
「…宮近嫌い」
「ふふ、うそ。すっぴんも可愛いよ」
「っ、ばっかじゃないの?」
「A昨日からそればっか(笑)」
だって急にそんなこと言ってくるんだもん、照れないわけがない。
それに私服の宮近を見るのだって久々で。
黒のTシャツにベージュのパンツ。サングラスなんて付けちゃって。
なんなの、もう。かっこいいじゃん。
「ほら、行こう」
「うん」
.
522人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葵 | 作成日時:2021年10月14日 2時