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「…離して、」
「嫌?」
「嫌じゃ、ないけど、」
「…かわいい」
「そんなこと言うキャラだっけ?」
「いつも思ってたけど」
そう平然と言う宮近。なにそれ。
「そんなこと言ったことないじゃん、」
「うん。まぁ、誰かさんは彼氏いたしね」
「そうだけど、」
「別れて良かったとは思ってないけど、チャンスが回ってきたとは思ってる」
「なに、言ってんの」
「だってA、ちゃんと言わないとわからないじゃん」
まぁ、今のでもわかってなさそうだけどね。
なんて言いながら、クスッと笑う宮近。
「はっきり言おうか?」
「いや、待って、」
「なんで?言っちゃダメなの?」
「急にそんなこと言われても、」
「…A、俺のこと好きになってよ」
「っ、!」
「俺はもう、とっくに好きだから」
いつから?とか、そんな素振り今まで見せたことないよね?とか
思うことはたくさんあるのに。
ギュッと握られた手と真剣な宮近の目線にもう頭は真っ白で。
まさか、宮近に告白されるなんて1ミリも想像してなかった。
「ははっ、本当に気付いてなかったんだ。俺結構わかりやすいと思うけど」
「…気付くわけないじゃん」
「答えはまだいらないから。でも、ちゃんと考えてほしい」
「、わかった」
「よし、そろそろ寝る?」
「え、あ、うん」
告白したくせに切り替えの早い宮近に呆然として。
てか寝るって、一緒に?
「Aベッド使っていいよ」
「宮近は?」
「俺はソファーで寝るから」
「そう、だよね」
「ふっ、一緒に寝たかった?」
「バカじゃないの、」
「ほら、襲われる前にベッド行った方がいいんじゃない?」
一緒に寝たら何するかわからないから、なんて本当は聞こえてたけど聞こえないフリをした。
おやすみって言ったら、自然と頭を撫でられて。
恥ずかしくなってすぐにベッドに入る。
でもこんなの、寝れるわけない。宮近の匂いするんだもん。
そう思ったけど、いつの間にか私は睡魔に負けていた。
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作者名:葵 | 作成日時:2021年10月14日 2時