Part2 ページ4
…会議が終わった。今日は全く踊らなかった。こんなこと初めてだ。明日は槍が降って来るかもしれない。
なんて冗談は置いておいて、会議の内容を手短かに話すと、
『自分達も犯人に直接会いに行くが、いきなり犯人に会うのは危険なので、誰か下見役を先に行かせる。』ということらしい。
「お疲れ様。記録してくれてありがとう。」
資料を整理していると、後ろから声が掛かった。
振り向くと、綺麗な長い黒髪が視界に入る。
案の定、私の見知った人が立っていた。
「母さんもお疲れ様。彼らの相手、大変だったでしょ。」
「そんなことないわ。むしろいつもより楽なくらい。」
「あはは、確かに。」
母さんとたわいもない話をしていると、私達に声が掛かった。
「HEY!Aも千尋もお疲れ!今日の会議はどうだい?最高にCOOLだっただろう!」
「二人共今日はご苦労だった。すまないが、会議のまとめを見せてくれないか。」
「お疲れ様です。Aさん、千尋さん、いつもありがとうございます。」
「お疲れ様でした。アメリカさん、とってもクールでしたよ。」
「皆さんも、会議お疲れ様でした。ドイツさん、これが会議の内容をまとめたデータです。」
三者三様の労いの言葉を受け取り、今日の仕事の成果を渡す。
…自慢じゃないが、国の皆さんとの関係はかなり良好で、たまに差し入れを貰えるくらい親密だ。こんな付き合い方でいいのか?と、お母さんに相談したら、『良いんじゃない?』
という何とも軽い返事が返ってきた。本当にそれでいいのか。
「ドイツゥ〜ドイツゥ〜」
…遠くからイタリアさんの声が聞こえる。あっ、ドイツさんの眉間に皺が…
「あー、すまないが今日はこの辺にしておこう。今度クーヘンでも焼いてこよう。」
「いえ、お気になさらず 。」
ドイツさんがイタリアさんのもとへ向かって行く。ドイツさんの話、結構為になるから好きなのになぁ…と残念に思っていると、いつの間にか他の2ヶ国も帰って行ったらしい。
あんなに騒がしかった部屋が嘘みたいに静かになっている。どうやら先程帰って行った国達が最後だった様だ。
「さあ、私達はもう一仕事頑張りましょうか。」
「うん。」
そう、私達には後片付けという仕事が残っている。
「終わったら少し休憩にしましょう。フランスさんからマカロンを頂いたの。」
何故か楽しそうな母を横目で見つつ、作業を進める。
こんな日々が続くと思っていた。ずっと、ずっと…
けれど、転機はすぐに訪れた。
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人類最強の掃除屋(プロフ) - とっても面白かったです。続きが楽しみ (2016年4月3日 22時) (レス) id: f2dc982c41 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - とても面白いです!! 続きが楽しみです! (2016年4月3日 14時) (レス) id: 8db6fb854a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しじみ | 作成日時:2016年4月3日 13時