貴方は私のビタミン【 TH 】 (ページ8)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:605 hit

ビタミン G ページ8

♡．

「お待たせしました。ご注文のココアとイチゴのたるとでございます」

先ほどの女性が美味しそうな匂いがする、イチゴのたるとを運んできてくれた。

鼻をくんかくんかさせていると、ㅋㅋと声がしてハッと我にかえる。

『す、すみません…』

「大丈夫ですよ、とてもユニークなお方で、見ていて飽きませんわ」

そう口元に手を当て上品にわらう店員さん。

『へへ、とても美味しそうです』

「味には自身がありますわ。先ほどのオーダーを取りに来た者が作ってます」

『えっ、？先ほどのオーダーさんがですか…(失礼だけど作ってるの想像できないよ！)』

そう心の中で作ってる所を想像してみると、…いや想像なんてつかない！！

「そうですわよね。ですけど、彼は一流パティシエですの。とても腕には自身があります」

そうニコリと女の店員さんは、自分の事のように嬉しそうに語ってくれていたけれど、

ハッとして頬を１回かいて恥ずかしそうに笑って立ち去った。

「ごゆっくりどうぞ」

．

『可愛い女性だなぁ、私もあんな可愛さがあれば喧嘩ばっかりしなかったかな…』

そう１人で過去を思い出しても

誰も答えてはくれないのに。

その気持ちを紛らわすため、イチゴのたるとを口にいれた。

『美味しい…』

･･