すの自分になること４ ページ44
.
深澤side
深「…フゥ…」
照を見送り、それぞれの職場へ散り散りになった誰もいない家の庭で
ひとり煙を吐いてると
「ふっかもそれ吸い始めたの？」
と、Aが俺の隣へやって来た。
深「んや、照の」
「ふーん…」
20代のほとんどを一緒に過ごして来た俺達3人。
だから、この別れが辛くないわけがないんだ。
だけどもう出会ったあの時とは違う、
…俺達はもう大人になってしまったから。
そんな切ない気分でいる俺を他所に
ふとAを見ると…
深「…」
「…」
…え？
…もしかして機嫌悪い…？？
「…聞いてない」
深「…何が？」
「昇進」
深「…」
…あんにゃろ。
最後にとんでもない置き土産をくれやがったな、と照に物申したい一方で
俺は少し…不安がよぎった。
…この後、彼女はなんて言葉を俺に発するんだろうか。
「…私どっかおかしいのかも」
深「え？」
思わぬ一言に思わず聞き返してしまう。
「普通なら、
私のことなんで気にしないで、って背中を押すべきなんだろうけど…
…言えない」
深「…」
「ここに残るっていうあなたの選択が嬉しい。
だから…言えないの」
深「…A…」
家が賑やかになるにつれてAが笑顔を取り戻していく反面
俺はずっと怖かったし、自信がなかった。
「もうふっかがいなくても大丈夫だよ」って
いつかその笑顔で突き放される日が来るんじゃないか、って
Aは俺の世界の中心だったから
それを失ってしまえば俺には…何も残らないから。
「ずっとそばにいてくれるんでしょ？」
だからずっと…
必要とされてるって実感が
彼女自身の言葉で欲しかったんだ、って今この瞬間に気付いた。
深「…なあA…？」
「…なに？」と俺と目を合わせないまま答える彼女。
深「…ちゅーしてい？」
「ダメ」
深「…
…なんで！？そういう流れだったじゃん今完全に！！」
「だって…」と、反論する俺の背後を無言で指差すA。
その先には…
渡「…させねえよ？」
深「…っく…！！
うわぁああああ！！！！」
その後しばらく
俺の叫声が家中に響くことになったわけなんだけど…
まあこれも、シェアハウスの醍醐味ってことで！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1010人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
umi(プロフ) - aznさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけたようで何よりです（ ; ; ）ふっか、、ちゅーできたのかな、、、？私も気になります(笑) (2020年4月30日 22時) (
レス) id: ac7556c90d (このIDを非表示/違反報告)
azn(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎回お話の内容が濃いというか読み応えがありついつい感情が入ってました（ ; ; ）番外編も楽しみにしてます！ふっかさんがちゅーできますよーに…（笑） (2020年4月30日 21時) (レス) id: 0edde1a070 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - sunさん» 完結が寂しい、というのは作者としてとても嬉しい限りでございます（ ; ; ）もったいないお言葉をありがとうございます！番外編！早く皆様にお届けできるよう頑張ります！！ (2020年4月30日 1時) (レス) id: d3ac30b1ff (このIDを非表示/違反報告)
sun(プロフ) - 完結おめでとうございます！読み応えがあって、毎回とても楽しみにしていたので、とても寂しいのですが、番外編も楽しみにしております！ (2020年4月30日 1時) (レス) id: 729d22312f (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - SHIOさん» ありがとうございます！！最後はそうですね…色々考えたんですけど結局こんな形に落ち着きまして。また番外編で動きがあるかも、、？楽しみに待ってもらえると嬉しいです！＾＾ (2020年4月30日 1時) (レス) id: d3ac30b1ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：umi
| 作成日時：2020年3月25日 2時
