飛び込んで愛の世界へ

２７ 向井side ページ27

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向井side




Aちゃんがうちへ来てくれた日から

俺の中で彼女の姿が消えることはなかった。



俺は昔からモヤモヤを抱えてしまいがちで



自分が我慢して丸く収まるなら

そのほうがいい


そんなスタンスで生きてきた。




…でもそんないつまでも自分じゃアカン。


決死の思いで上京して、これからってときに

メンバー…照くんに対する劣等感、背徳感を持ったまま


いいグループ関係なんて作れるわけがない。




だから俺は我慢をやめた。


Aちゃんに対するこの気持ちを

自分自身で受け止めてやることにした。



せめてもの仁義で

照くんには宣戦布告させてもらったけど



喧嘩売ってる、とか
調子乗ってんな、とか

思われたらどうしよ、って正直直前までびびってた。




でも、照くんは背中を押してくれて。




だからかな。

俺、フラれたのになんか…ほっとしてる。



変やと思われるかもしらんけど、

こんな俺のことを真っ直ぐ受け止めてくれた

照くんとAちゃんの気持ちが…素直に嬉しかった。







向「もしもし？今帰り道やから、家着くまでつきあってーや」

ーー目『…は？俺の彼女かよ』



でもやっぱり、1人で歩く夜道はちょっと寂しくて

ホッとする声を求めてしまう。



ーー目『…大丈夫？』



照くんと俺の楽屋での一幕。

もちろんみんな見てたわけやから、心配かけたに決まってる。




向「…はぁ〜〜！俺もカッコよくなりたいなあ〜！！」




照くんはずるい。


あの状況であんな風に言われて

そんなん…敵うわけないやん。




ーー目『…いや、

康二はカッコいいよまじで」



電話越しにうるさい俺を茶化しもせず、

目黒ははっきりと言った。



向「めぐきゅん…



やっぱ、今からうちに泊まりこぉへん？」

ーー目『行くわけ、(笑)』







実ることはなかったけど

俺を一回り大きな男に成長させてくれた


はじめての東京での恋



たぶん俺は一生忘れへん。

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