艶やかで儚い ページ1
「ま、雅紀……これはどういう事だ？」
翔は食卓テーブルの上に雑誌を広げて、目の前に座っている雅紀に対して怒っているようだ。
夕飯のひと時、そんな２人を智は苦笑いで見ている。
和也は、夕食直前にそうなった状況に溜息をついて、自分１人だけ箸をつけるわけにもいかず、頬杖をついて翔の顔を見ていた。
「今回の特集はインナーで、パンツもおしゃれにってのがテーマだったの、だからほら俺だけじゃないじゃん」
そう言った雅紀は、他のページを捲って、指をさしている。
可愛い系、男らしい系、綺麗系が下着姿で写っていた、だがベッドという演出は雅紀だけだ。
「どうして断らなかった？……こんな写真、俺は許さないぞ」
そう言って翔が指差したのは、雅紀がパンツ一枚でベッドに横たわっている写真だった。
パンツ一枚なのはまあ許せるしても、翔からすると表情がどうにも許せなかったらしい。
「翔ちゃん、心配しすぎだよ……お腹すいた、食べようよ」
「お前は……どうしてこんな……この表情は駄目だろう」
確かに、カメラマンの誘導による物だったとはいえ、艶やかで儚げな雰囲気を漂わせていた。
「まあ翔ちゃんの言いたいこともわかるよ、かなり心配かけちゃったからさ、だけど俺は大丈夫だから……ね」
雅紀はそう言って首を少しかしげて、子犬のように黒い瞳を揺らす。
それは雅紀の人を落とすための必殺技。
もう大丈夫だから、この言葉を言われては、翔も何も言う事ができなかった。
あの事件から１年が経とうとしている。
だからこそ、翔も過度に心配してしまうんだろうし、雅紀の「もう大丈夫」には大きな意味があった。
「ただいま〜」
この家の番長が帰ってきた。
「ねえ、マー……お前すげえなあ、見てビックリだった、これ翔にぃに怒られ……え？……あれ……俺、珍しくドジった？」
そう言ってキョロキョロと見渡す潤の手には、今食卓の上にある雑誌とまったく同じ物が握られていた。
「いっただきま〜す」
雅紀はその不に気に割って入るようにそう言うと、料理に箸をつけ始めた。
「ほら、翔ちゃん、せっかく智くんが作ってくれた料理が冷めるよ」
そう言われて、翔も不機嫌な表情を浮かべながらも、料理に箸をつける。
和也も、やっと食べられると、心の中で密かに呟いただろう。
「おかえり、潤を手を洗っておいで」
智に促されるように、潤は鞄をソファーに置いて、洗面所へと入っていった。
ラッキーアイテム
革ベルト
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海月(プロフ) - 和春さん、そ言っていただけるとうれしいです。新作が出来たらまたよろしくです (2012年12月23日 23時) (
レス) id: 8fd3529656 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ａｏｉさん、最後まで読んでくださってありがとう。また新作でもよろしくです。 (2012年12月23日 23時) (レス) id: 8fd3529656 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - 大好きな風山家、終わってしまうのは悲しいですが新作も楽しみにしてますね！ (2012年12月17日 21時) (レス) id: bbbec70c02 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ナミさん、ありがとうございます。そう言っていただけると書く意欲がわきますよ。新作が出来たらまたよろしくお願いします (2012年12月17日 15時) (レス) id: 8fd3529656 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - お疲れ様でした！！！素晴らしい小説ありがとうございます！！！大好きです>///<新作も楽しみにします>_<本当にありがとうございました！！！ (2012年12月17日 14時) (レス) id: a2fedde7a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月
| 作成日時：2012年10月15日 19時
