理由のいらない存在 ページ45
「確かに面倒だな」
後ろからのいきなりの声に和也は振り返った。
そこには潤が立っており、愉快そうに微笑んでいる。
「だけど、そんなお前が俺は愛おしい……理由なんて見当たらねえ……だけどただ守りたいって思うんだよ、きっとそれはお前がお前だからだ、たとえば他の性格だったとしたら敵になっていたかもしんねぇ……そしてそんなお前の事を守りたいって思う俺の事を、今まで生きた中で俺は一番気に入っている」
潤はいつも漂わせている威圧的な雰囲気でそう言い、最後にそれまでの空気を一掃するようにクシャリと笑った。
「うざっ！……なんだそれ……はあ〜……智がま〜ちゃんが心配で仕事に集中できないって、心配で心配でしかたがないって言うから様子を見に来たのに、潤くんが帰ってきてくれるなら、僕、来る必要がなかったですよね？」
和也の言葉に潤は雅紀の方を見て軽く吹きだす。
「なんだかんだ言ってお前も気になってるんだろ？……雅紀の事、邪魔だ〜って言いながら、いなかったら寂しいクセに」
「なっ！そんなこと」
「はいはい、まあそれはどうだっていい……」
潤は和也の言葉を切ると真剣な顔つきで雅紀の顔を真っ直ぐに見つめた。
雅紀の方も表情が少しだけ険しくなる。
「悠月の事だけど……処分が決まった……」
その言葉に和也も不満そうに口を尖らせながらも、静かに雅紀の傍へと行き、隣へ腰を下ろすと潤を真っ直ぐに見つめる。
「……いばらの監獄に幽閉されることになった」
「はぁ？……死刑じゃねぇの！？」
和也のその言葉に、雅紀はほんの少し眉根を寄せる。
「……紅が…まあ俺もだけど…組織の上層幹部を説得した、悠月の身柄確保に協力した雅紀の意志を尊重したいってね……俺は別にどっちでもいいかなって……あいつが死刑になったところで破綻吸血鬼がいなくなるわけでもないし、まあ同じヒストリカルヴァンパイアとしての情けもなくはないけど……あいつぐらいの吸血鬼になれば、結果は一緒だよ……いばらの監獄の呪はそれくらいの威力があるし、もし脱獄できるような力があるとしたら、死刑になっても生き返るんじゃね？」
潤はそう言いながら皮肉めいた笑みを浮かべた。
雅紀はそんな潤から目線を下に落とすと胸の辺りを押さえる。
「どうした？調子が悪いか？」
潤はそう言って雅紀に近づいて、隣に座ると顔を覗き込んだ。
雅紀の頬を伝って涙が流れ落ちる。
潤はそんな雅紀の肩に手を回すと優しく引き寄せ抱きしめたのだった。
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潤雅 - この相葉くんかっけ〜！ (11月19日 1時) (
レス) @page23 id: 11f5c1be2c (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - れにゃさん、コメをありがとうございます。楽しみにしてくださっていたとの言葉、とても嬉しいです。いつになるかわかりませんが、新作が出来たらまたよろしくおねがいします。 (2016年5月30日 8時) (レス) id: 1f4e5d070f (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ちぃちぃさん、体調の事心配してくださってありがとうございます。今の所元気に毎日過ごしています。いつになるかわかりませんが、また新作ができたときにはよろしくお願いします。 (2016年5月30日 8時) (レス) id: 1f4e5d070f (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - 完結 おめでとうございます(*^▽^*)/
いつも、海月さんがお話の更新されるのをすごく楽しみにしていました!!
また 新しいお話が更新されることを楽しみにして 待っています！
(2016年5月21日 10時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちぃ(プロフ) - 海月さんの作品大好きです。また新作更新お待ちしてます！お身体大事になさって下さい。 (2016年5月20日 23時) (レス) id: 85cdc6f2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月
| 作成日時：2015年10月1日 14時
