刹那的な儚さ ページ39
あれから３週間近くが経っている。
潤は組織の仕事が忙しいのか毎日のように出かけては帰ってこない日もたびたびあった。
３日ぶりに帰ってきた昨夜は雅紀と楽しそうに話して変わりない様子を見せていた、だが、眠ってしまった雅紀の寝顔を見ながら切なそうに瞳を揺らしていた、その理由は潤にしかわからない。
雅紀の体調は良さそうに見えていた。
だが時折見せる動きの悪さと、顔色の悪さを周りが気付かないわけはない。
「どうなんだ？」
縁側に座りながら翔は潤にそう聞く。
もちろんその対象は雅紀の事。
隣にきて座り込んだ潤はほんの少し上目遣いで翔を見て静かに目を伏せた。
翔はそんな潤の様子に小さく溜息を付く。
雅紀は朝早くにアラシの散歩に出かけてしまっている。
潤と翔はついて行こうとしたが、雅紀にそれを拒絶されたのだ。
「……ないよな？」
おもむろに聞いてきた翔の言葉の意図を潤はすぐにくみ取れなかったのか、数秒の間の後「……たぶん」とあいまいな答えを返す。
いつもなら無理矢理にでもついて行くであろう翔と潤がそれをしなかったのは、雅紀の纏っている雰囲気の中に拒絶する冷たさと共存する刹那的な儚さを見たからだ。
それ以上踏み込めば、目の前から消えてしまうのではないか？
そんな危うさを今朝の雅紀は漂わせていたのである。
「おはよう、ま〜ちゃんはアラシの散歩？」
眠そうに目を擦りながら智が現れた。
「……相葉さん、今日は一人ですか？」
和也は潤と翔は２人揃っているのを見ながらそう聞いてくる。
「オイラ見てくる！……カズも行くよ！！」
智はそう言いながら、和也の手を握って引っ張りながらリビングの方へと向かって行った。
何かを感じたのだろうか、智にはいつもの柔らかい雰囲気はなく、有無を言わせない力強さと緊迫感が漂っていた。
「智くんなら、拒絶しない…かな？」
翔がそう聞くと潤は「まあ、たぶんね」と２人の後ろ姿を見つめる。
翔も潤も揃って心配そうに溜息を付いた。
智に引っ張られていた和也は痛そうに顔を歪めて足に力を入れて止まる、と、智の体が和也の方に引っ張られる様に止まった。
振り返った智の瞳はいつになく苛立った光をたたえている。
「そういう顔をするんだ」
ほんの少し嫌味の音を感じる和也の言葉。
「カズ……オイラ、ま〜ちゃんを大事にできないカズは嫌い！！わかる！？……ほら、行くよ！！」
智はそう言うとまた和也の手を引っ張り歩き出す。
今度は和也も抵抗しなかった。
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潤雅 - この相葉くんかっけ〜！ (11月19日 1時) (
レス) @page23 id: 11f5c1be2c (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - れにゃさん、コメをありがとうございます。楽しみにしてくださっていたとの言葉、とても嬉しいです。いつになるかわかりませんが、新作が出来たらまたよろしくおねがいします。 (2016年5月30日 8時) (レス) id: 1f4e5d070f (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ちぃちぃさん、体調の事心配してくださってありがとうございます。今の所元気に毎日過ごしています。いつになるかわかりませんが、また新作ができたときにはよろしくお願いします。 (2016年5月30日 8時) (レス) id: 1f4e5d070f (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - 完結 おめでとうございます(*^▽^*)/
いつも、海月さんがお話の更新されるのをすごく楽しみにしていました!!
また 新しいお話が更新されることを楽しみにして 待っています！
(2016年5月21日 10時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちぃ(プロフ) - 海月さんの作品大好きです。また新作更新お待ちしてます！お身体大事になさって下さい。 (2016年5月20日 23時) (レス) id: 85cdc6f2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月
| 作成日時：2015年10月1日 14時
