翡翠の君 ページ35
「じゃあ、何であんな事？……潤は言ったじゃねえか、親友を殺されたって」
翔の言葉に潤は凛と瞳を輝かせ口を開いた。
「まあね、雅紀が直接手を下した訳じゃないけど、雅紀の存在、いや少し違うか、雅紀の母親の存在がきっかけになってるのは確かなんだ、紅蓮の君も頭じゃ解ってるし、本当は雅紀の事を好きなはずなんだけどな、翡翠の君の親友としての気持ちってか、プライドなのかな、まあとにかく自分でも理解しがたい微妙な感情があるんだろうよ、上級吸血鬼ってのは本来自己中で我儘な生き物だからな、俺だってこいつの存在がなければ今頃どうなってか……」
潤はそう言いながら雅紀の顔を見る、すると雅紀は弱々しく笑った。
「……今の世の中の制度、吸血鬼と人間との間で共存するっていうシステムができる前は、上級吸血鬼が主導権を握っていて、人間はまあ吸血鬼の糧となる存在ってな感じだった、だけどその上級吸血鬼が一人の人間の女性を愛した、女性もまた吸血鬼と人間の垣根を超えてその上級吸血鬼を愛した、その結果、生まれたのが雅紀、母親は雅紀を産むことで亡くなってしまったけど、翡翠の君は雅紀の事を溺愛した、たぶん長い人生の中で本当の愛を知ったのが唯一、雅紀の母親だったんだろうな、翡翠の君はその当時生きている吸血鬼の中では一番長く生きていて、かなりの力を持つ存在、そんな彼がそれまでの流れを崩したことで、それまで吸血鬼主導の秩序が崩れ始めたんだ」
「翡翠の君か……聞いた事ある、他の貴族に比べて宮家に従順だった存在だったて、落ちぶれた宮家を唯一宮様として扱ってくれていた……と……そう、この人、その血筋だったんだ……だけど、翡翠の君の子供だってこの人だけじゃないだろうし、当然純潔の奴らが黙ってる訳ないでしょうね」
和也の言葉が淡々と部屋の中に響く。
「そうだな、殆どの血族は翡翠の君に歯向かわなかったけど、一人だけ直系の息子、そのまま行けば翡翠の君の名はそいつのものになるであろう存在、そいつは雅紀の事を嫌っていた、雅紀が成長するにつれて父親に対しても反感をもつようになっていって、色々な考えや思いを巻き込んで吸血鬼たちが真っ二つに分かれて行く中、雅紀は一人女性を好きになった」
潤は智を見てそう話した。
和也は智を自分の方に引き寄せると抱きしめる。
潤はそんな和也を見ながらあきれた様に笑った。
「東雲知美、智くんの前世、覚えてるよね？」
潤は智にそう聞く。
智は静かに目を伏せ頷いた。
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潤雅 - この相葉くんかっけ〜！ (11月19日 1時) (
レス) @page23 id: 11f5c1be2c (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - れにゃさん、コメをありがとうございます。楽しみにしてくださっていたとの言葉、とても嬉しいです。いつになるかわかりませんが、新作が出来たらまたよろしくおねがいします。 (2016年5月30日 8時) (レス) id: 1f4e5d070f (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ちぃちぃさん、体調の事心配してくださってありがとうございます。今の所元気に毎日過ごしています。いつになるかわかりませんが、また新作ができたときにはよろしくお願いします。 (2016年5月30日 8時) (レス) id: 1f4e5d070f (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - 完結 おめでとうございます(*^▽^*)/
いつも、海月さんがお話の更新されるのをすごく楽しみにしていました!!
また 新しいお話が更新されることを楽しみにして 待っています！
(2016年5月21日 10時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちぃ(プロフ) - 海月さんの作品大好きです。また新作更新お待ちしてます！お身体大事になさって下さい。 (2016年5月20日 23時) (レス) id: 85cdc6f2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月
| 作成日時：2015年10月1日 14時
