夢を見る ページ33
雅紀が寝込んでから３日が経とうとしていた。
潤は出かけてしまってからまだ一度も帰ってきてはいない。
「……ちゃ……じゅ……ちゃん！」
まだ朝日が昇り切らない薄暗い部屋の中に雅紀の声が響いて、翔は慌てて起き雅紀の伸ばされた手を握った。
「……雅紀？」
翔は優しく名前を呼ぶ。
まだ熱があるのだろう、濡れた額に髪の毛が張り付き苦しそうに身権威しわを寄せていた雅紀はゆっくりとその瞳を開いた。
まだ現実を捉えてはいない瞳はどこか頼りなさげに揺れ何度かゆっくりと瞬きをする。
「雅紀？」
また翔の優しい声が響いた。
「……しょ…ちゃ」
掠れた声は聞きとりにくい。
「どうした？……夢見たいか？」
翔の言葉に雅紀は微かに頷くと弱々しく微笑んだ。
「昔の事……見た……」
雅紀はそう言うと、握られている自分の手に気付いたのか、翔の手を握り返す。
その瞳はどこか怯えているように見え、翔は心臓が締め付けられるような感覚を感じた。
「……時々、思い出すんだ……大事な人を失くした時の事……」
「そっか……俺はお前や潤の昔の事、知らねえけど、それって智くんと関係あるんだよな？」
翔のその言葉に雅紀はゆっくりと目を閉じて少しの間をあけると「そう…だね」と言う。
「……親殺し」
微かに動いた雅紀の唇から漏れ出てきた言葉。
「聞いた事あるよね？」
雅紀はゆっくりと瞳を開いて翔を見つめそう言ってくる。
翔はそんな雅紀を真っ直ぐに見つめて「噂だけは」と言った。
「……混血は父親か母親が吸血鬼……人間の血が半分入った子供を吸血鬼が愛する事はまずありえない……だけど、俺の父親は違った」
まだ話そうとする雅紀の頬を翔は優しく撫でる。
「雅紀、聞いちまった俺が悪かった、今はそんな話しなくていい……お前が今やるべきなのは体調を戻す事、な？……食べれそうならうどんぐらいなら作れるけど」
翔の言葉と頬に添えられた手の優しさに雅紀はユラユラと瞳を揺らした。
「……あのね……なんとく聞いて欲しいなあって、夢、見たから、かな〜」
雅紀がそう言いながら起き上がろうとする、と、その時、障子の戸がスーと開き潤が姿を現した。
「ただいま」
潤は昇りかけた朝日を背にそう言いながら部屋に入ってくる。
「潤」
「潤ちゃん」
「……翔くん、雅紀の事ありがとうね」
潤はそう言いながら翔の隣に座り込むと、今、起き上がろうとしていた雅紀の髪の毛を梳くように撫でると、肩に手をかけて横になるよう促した。
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潤雅 - この相葉くんかっけ〜！ (11月19日 1時) (
レス) @page23 id: 11f5c1be2c (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - れにゃさん、コメをありがとうございます。楽しみにしてくださっていたとの言葉、とても嬉しいです。いつになるかわかりませんが、新作が出来たらまたよろしくおねがいします。 (2016年5月30日 8時) (レス) id: 1f4e5d070f (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - ちぃちぃさん、体調の事心配してくださってありがとうございます。今の所元気に毎日過ごしています。いつになるかわかりませんが、また新作ができたときにはよろしくお願いします。 (2016年5月30日 8時) (レス) id: 1f4e5d070f (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - 完結 おめでとうございます(*^▽^*)/
いつも、海月さんがお話の更新されるのをすごく楽しみにしていました!!
また 新しいお話が更新されることを楽しみにして 待っています！
(2016年5月21日 10時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちぃ(プロフ) - 海月さんの作品大好きです。また新作更新お待ちしてます！お身体大事になさって下さい。 (2016年5月20日 23時) (レス) id: 85cdc6f2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海月
| 作成日時：2015年10月1日 14時
