僕はボクが一番かわいい ページ8
いじめっ子。
いじめられっ子。
見て見ぬふりをしている子。
いじめを止める子。
クラスの中でイジメが行われている場合、だいだいそのどれかに含まれるのではないか？
ただ……やはり……
いじめを止めようとする子というのは、少ないのかもしれない。
ボクは？というと……
いじめられっ子、あるいは見て見ぬふりをする子になるしかなかった。
ボクはボクが一番かわいい。
いじめられっ子タイプが仲間だった時は、仲間の誰かがイジメられていても助ける事は無かった、ただそれはお互いさまで、皆、痛い思いをしたくなから。
そんなある意味薄情ともとれる気持ちをも分かり合えるという意味だったのではないか？
仲間がイジメられている時は見て見ぬふり、学校から離れて仲間だけになるといじめっ子の悪口を言う。
前にも書いたが、共通の敵を作る事によっての友人関係。
ボクもその例外ではなかったのかもしれない。
だがしかし、２年になってからの転校生きっかけの友人関係になると、それも少し変わっていく。
ボク自身に力がないのは変わらいけれど、転校生を含め、周りの友達は自分で何とかしようとする力がある人がほとんど。
なので、ボクがイジメられている時も、怒りを露わにして公に喧嘩みたいな事はなくても、睨みを利かせてくれたり、椅子の背もたれの汚れた部分の掃除を手伝ってくれたりという行動をしてくれていた。
だからなのか、ボクも少しだけ勇気なんていう、らしくない気持ちを持つ事ができたのかもしれない。
中学２年も後期になり、今時では珍しくもない、イジメに関するアンケートが行われた。
そのアンケートに書いたからと言って解決できるとは思ってもいなかったけれど、ボクは正直に自分が置かれている状況を書いた。
すると、まるで魔法でもかけたみたいに、給食時間に悩まされていたイジメがなくなった。
どうやら、担任がいじめっ子に何かを言ったらしい。
そして担任はボクにも気をかけてくれて、それも抑止力になっていたのかもしれない。
いじめっ子が、中途半端ないじめっ子でよかった。
これでイジメがなくなったのは、本当に奇跡のように恵まれていた事だと思う。
やっとボクはそれなりに人の中に埋もれて過ごす事ができるようになった。
仲間という鎧を着て、安心の中に身を置く事が叶った。
友達っていいものだ。
と思えるようになったのもこの頃だったのではないだろうか。
ただ、まだこの頃は、自分の意思をもって行動できる程の力はなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海月(プロフ) - はじめましてグリーンピースさん。感想ありがとうございます。驚くなんて、全然大丈夫ですよ(笑)。楽しみにしてくれているという言葉。とても嬉しく思います。更新が滞ってしまうことも多々あるかと思いますが、これからも立ち寄って下さいませ。よろしくお願いします。 (2019年5月24日 5時) (
レス) id: 8bd65f83d8 (このIDを非表示/違反報告)
グリンピース(プロフ) - 作品を読み進めていくうちに、少し安心しました。勝手ながら共感したりしてました。お話の続き楽しみにしてます。 (2019年5月15日 14時) (レス) id: e649432f4c (このIDを非表示/違反報告)
グリンピース(プロフ) - 私は小さな頃から「◯◯が、したい」ではなく「◯◯で、いい」と言う子どもで母からよく言い方を直されました笑 社会人になりましたが今の自分が「◯◯がしたい」と具体的な欲がなく仕事もその性格が邪魔をして悩んでいます。そんな時にこの作品に出会いました。 (2019年5月15日 14時) (レス) id: e649432f4c (このIDを非表示/違反報告)
グリンピース(プロフ) - 読みました。海月さんの作品も好きで全部読んでいます。陰ながらいつも応援させて頂いてます。今回初めて感想を送ったので、驚かせてしまったら、すみません。 (2019年5月15日 14時) (レス) id: e649432f4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海月
| 作成日時：2018年11月19日 14時
