†第二十七話† 戸惑い イトナside ページ29
どくどくと河崎に触れる体からは赤黒い血液が流れ出ていて止まらない。俺の服に赤黒い染みができるが、俺は気にせず河崎を抱き締める。
喋り終わった後すぐに河崎は気を失ったように静かになる。俺に預ける体重はずっしりと重く、その場にゆっくりと座り込む。
殺せんせー「大丈夫ですか！？」
イトナ「･･･気を失っている、だけだ」
殺せんせー「そうですか、ですが河崎くんの出血が酷い。先に河崎くんを治療しますが･･･大丈夫ですね？」
こくんと小さく頷いて肯定の意を示す。その反応を知っていたかのように俺からゆっくり河崎を離して、素早く手当てをし始めた。
その様子を、触手の痛みを耐えながらじっと見つめる。
気絶して意識のない河崎はいつもと違って弱々しく、俺がしたことの重大さに体が震えそうになる。クラスのヤツラがいるから表情にはださないが、本当は罪悪感で押し潰されそうだった。
河崎の体は殺せんせーの治療によって包帯ぐるぐる巻きにされていて、白い包帯から滲み出てくる赤い染みがよりいっそう痛々しく見える。
気絶したまま起きてこないんじゃないか、いつもは感じない感覚にぐるぐると胸を締め付けられる。
殺せんせー「イトナくん、もう良いですよ。触手を取り除きましょう」
イトナ「河崎は･･･大丈夫なのか」
殺せんせー「ハイ、大丈夫ですよ。河崎くんを先に治療して正解でした」
イトナ「そうか･･･」
胸の内でぐるぐるしていた感覚は、河崎の無事をきくと霧のように消えて無くなった。知らない感覚に戸惑いこそあったものの、河崎が無事ならそれでいいとその感覚を疑問には思わなかった。
触手細胞を殺せんせーに取り除かれているなかでも、俺は理由もなくずっと河崎を見つめていた。
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一颯(プロフ) - 同性愛ものには専用のフラグを立ててください。 (2016年4月18日 3時) (
レス) id: 050c8f6d1c (このIDを非表示/違反報告)
クロウサギ(プロフ) - この作品の続編見たいです!! (2015年5月18日 4時) (レス) id: 29761c99ab (このIDを非表示/違反報告)
緋腹 - この話をみてイトナ君が好きになりました！アザス！！(´∀`*) (2015年5月9日 0時) (レス) id: 5e74d9c177 (このIDを非表示/違反報告)
聖王ダークリンク - 今は………それが、お互いの為だろうからな。 (2015年4月22日 21時) (レス) id: 964e6546a5 (このIDを非表示/違反報告)
聖王ダークリンク - やはり無理か……………。いや、いいんだ。多分、最初から分かってた事だと思う……………今はまだその時じゃないってことは。あいつ自身が心を開くまでには、時間がかかると思う……………だからゆっくり待とう。 (2015年4月22日 21時) (レス) id: 964e6546a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみしお | 作成日時：2015年4月19日 21時
