堕ちた不信姉弟 (ページ16)

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15 ホントにはいないページ16

舞楽side続行

でもほんとだったらお姉ちゃんが僕を助けてくれるはずだけど...やっぱりこの夢にはいないんだね。

？？？「そのままでいいの？」

舞楽「？！」

彗「ごめんね？驚かせちゃった。私は...彗。」

舞楽「すい？」

そんな名前聞いたことないぞ...こいつは敵か？敵なのか？

彗「うん。...まぁ状況次第では敵になるかもしれないし、味方になるかもしれない。今はどっちでもないかな。ところで止めなくていいの？君なら止めることが出来るでしょう？」

舞楽「...出来ないよ」

彗「どうして？」

舞楽「僕はいつもお姉ちゃんに守られてて自分じゃ何も出来ないんだ。特にお姉ちゃんに勝る部分もないし、何より僕には行動力がないんだ。そうやって"やらなければいけない"ことを言われたってそれをやるほどの勇気がないんだ。」

彗「...それだけ？」

舞楽「え？それだけって...」

彗「そんな些細なことひとつひとつ気にしてるの？」

舞楽「っ...それは気にするでしょ...」

彗「それより大事なのは君を助けること。今ここで"助ける"という選択をしなければ一生君は後悔することになる。」

舞楽「何でそんなことがわかるんだよ...」

彗「...わかっちゃうんだよ。私だってわかりたくないよ。でもそれが"僕"に与えられた使命なんだ。今の姿だって偽りの姿だよ。しかも"僕"はこの世には存在しない。そしてこのような夢を見る人間はもう生きていくことを諦めたくなった人間だけなんだ。」

舞楽「そ、そんなことは思ってない！」

彗「自分ではそう思ってなくても心のどこかではそう思ってるんだよ。だからここにいる。君のお姉ちゃんに対する劣等感などが積み重なっていってこうなってるんだよ。...でも"私"が現れた理由はそれじゃない。君を救うために現れたんだ。その"君を救う"という行為の始まりがこの子を助けることなんだ。」

舞楽「...わかったよ。でも...」

彗「でも？」

舞楽「勇気が...出ないんだ...僕はいつも人を助けようとすると逆に傷つけちゃう...勇気が出ないというよりかは...また...人を傷つけるのが...怖い。」

彗「よしよし。その感情を認めたのは良いことだよ。さっき言ったでしょ？私は君を救うために来たって。だからどんなことをしたって僕が近くにいれば何も起こらないよ。」
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もう一つだけ。snowLifehappy。