BLUE SEA 〈 III JSoul Brothers 〉ー ２

72 side 岩田剛典 ページ24

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Aが何もいうことなく

立ち去ったあと。





部屋に訪れる沈黙と、

段々とゆっくりになっていく鼓動。









剛典「 … やっちまった 」









こんなつもりじゃなかった。

もっと距離を縮めてから、

ちゃんと言おうと思ってた。






思わず言ってしまったあの二文字。






自惚れじゃないけど、

俺はそれなりに女の子と付き合ってきて。




一時期は(っていうかこの前まで)

そういう面で荒れてしまった時期も

あったけれど。









「 剛典 」





って呼ぶあの声だったりとか、



あの満面な笑みだったりとか、



照れるとすぐ赤くなってしまうところとか、



全部全部、好きで。









どうしようもないくらいのこの気持ちを。

彼女は受け取ってくれるだろうか。









剛典「 A… 」









そう俺が呟いた彼女の名前は、

部屋の中の沈黙を突き破って

儚く散った。









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