そんな彼女と月々のコイイロ。

〈6〉 ページ28

志季「それじゃ、あとは任せたぞ」
翼「オッケー。ちゃーんと案内しておくよ」
志季「ああ」

あれ…？志季さん、お仕事があるって言ってたけど、建物の中に入って行っちゃった？

翼「さて、と…じゃあ行こっか。…Aちゃん？」
『あ、すみません…。ちょっと気になってしまって』
大「…ああ、志季か？あの人は今、作曲の仕事が溜まっているんだ」
翼「もう少し計画立ててやった方がいいと思うんだけどね」

作曲…そっか、それなら自室でも出来るもんね。

翼「それじゃ、まずは俺たちSolidS共有ルームにご案内♪」

* * * * *

翼「到着っと。ここがSolidS共有ルームでーす」
『失礼します…なんだか、大人っぽい内装ですね…！オシャレ…』

SolidSの皆さんの共有ルームは赤を基調としたシックで大人っぽいイメージのものだった。
そしてバーがある。どう見てもお酒を飲むようなバーが。きっと皆さんでお酒を酌み交わすんだろうな。…大人だ。

大「そうか？」
翼「そう言って貰えると嬉しいなー！俺と里津花で結構インテリアを買い集めてたんだよ」
『な、なるほど…！お二人共オシャレですもんね』
大「…知らなかった」←

あれ？

翼「…マジで？俺ら、最初結構頑張ってたよ？」
大「よく分からない内にどんどん物が増えていったって感覚だったな」

そ、そういう人も居るよね…。

翼「若干ショックなんだけどー…。まあそれは置いといて、Aちゃん、一旦荷物をここに置いとくね」
『あっ、ありがとうございます』
大「案内したばかりですまないんだが、俺たちもこれから仕事が入っているんだ」
『えっ』

やっと慣れてきたのに！？
そりゃそうだよね、人気アーティストさんだもん…。

翼「そうなんだよねー。ってことで、寮の案内役を頼んでるんだけど…来ないな」
『別のユニットの方、ですか？』
大「ああ。案内役頼んだ時、すごく嬉しがってたんだ」
『？』

誰だろう…？
というか、嬉しがるほどの事があるのかな？私の案内なんて面倒臭いだけでしょうし。

―――ドタドタドタっ

なんか外から足音がする…というか近付いてきてる！？

大「来たか」
翼「来たね。何やってたんだか」
『来たって…誰なんですか、そn｢遅れて申し訳ございませんでしたぁぁぁっ！！！｣っ誰っ！？』

いきなり扉がバンッと開くと、誰かがスライディングしながら入ってきた。
私は即座にお二人の後ろに付きましたよ、もちろん。

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