全てはハッピーエンド【鬼滅の刃】 (ページ10)

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８話ページ10

――目を覚ましたら蝶屋敷。

この光景は二度目だった。

あれから気を失った私をここまで運んでくれたのだろう。

陽の光を見る限り、一日は経っている。

私は部屋を出て顔を洗いに行った。

その帰り道、騒がしい声が別の部屋から聞こえてきた。

「ぎゃああああああ！また朝が来た！薬を飲む朝が！やだあああああ！」

「善逸！わがまま言わず飲むんだ！」

「またあなたですか！早く飲んでください！」

近づくたびにどんどん騒がしくなっていく。

私は気になって部屋の扉を開けた。

「A！起きたの！よかった、ご飯食べれそう？」

私に気付いたアオイが駆け寄ってきた。

「えぇ！？しゅごく可愛い女の子だぁ！うふふ、君名前なんて言うの？歳はいくつ？」

「あっ昨日の！昨日は禰豆子を守ってくれてありがとうございました！」

「はあ～！？炭治郎抜け駆けかぁ～～！？」

私に対して何か言ってくれているのは分かるが、それよりも気になるものがあった。

「い、い、イノシシ！？」

頭は猪、体は人間、そして―――、

「嘴平伊之助様だぁ…。」

「喋ったあああああ！？」

昨日から驚くことがたくさんだ。

「安心してください、伊之助は人間です。これは猪の被り物です」

「そ、そうなんだ…」

「炭治郎はちょっと引っ込んでて！へへへ、お名前聞いてもいい？」

「失礼だぞ善逸。彼女は俺達より年上だぞ」

「そうなんだ～～。は、えええええええ！？年上！？年上って年上！？」

「どう見ても餓鬼だぜ…」

「鬼の所為でこうなったらしい」

騒がしいな。

でも…、楽しい。

「亂藤Aです。歳は１７！」

炭治郎君は１５、善逸君は１６、伊之助君は１６だと言った。

「みんなどうしてそんなに怪我してるの？」

「山できっもち悪い蜘蛛と戦ったら体がこんなになっちゃってぇ～！」

「俺達昨日下弦の伍と戦ったんです。ああでもこの顎は…カナヲに…」

「カナヲに！？あの子、そんなに強いのね…」

「弱くて、ごめんね…」

「相当落ち込んでるわね！」

わいわいと話すのは止まらなかった。