4話 ページ6
その夜、柱合会議というのは柱とお館様の会議だと聞いた。
柱というのは鬼殺隊の中で最も強いと言われる剣士のことらしい。
話によると、柱は怖いらしい……。
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翌日。
まだ太陽が昇り切らないうちに蝶屋敷を出発した。
耳栓に目隠しからのおんぶ。
その状態で数時間私は運ばれることになった。
たまに人が交代しながら、私は無事お館様のいる屋敷へ着いた。
「う、まぶしい…。腰が痛い…」
おんぶから下ろされその場にへなへなと座り込んだ。
お屋敷はここからじゃどれくらい広いか想像できないくらいには広く感じた。
「こちらをまっすぐ行けば柱合会議の場へ着きます」
隠の人にそう言われ、私は緊張しながら道を進んだ。
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「起きろ!おい、起きろ!」
道の終わりあたり。曲がる直前、誰かの怒号が聞こえてきた。
陰から覗き込むと、とても広い庭と屋敷が見えた。
何やら男の子が起こされていた。
「柱の前だぞ!!」
私も驚いて男の子の前に立つ人達に目を向けた。
(あれが…柱…。強い人たち…)
覗いていると、柱の人達が男の子を殺すなんて言い始めた。
しかし女性が話を聞こうと男の子に水を飲ませた。
話によると、妹が鬼にされてそれを治すために一緒に戦っていると。
その妹は人を喰ったことがない…と。
しかしその話は全然信じてもらえていなかった。
それを証明して見せろなんて言われている。
ハラハラとそれを見守っていた時だった。
「あ?ナンだてめェ?」
「ッ!?」
驚いて後ろを振り向くと、箱を片手に持った凶悪顔の人がいた。
「あのっ、私っ」
「いいから出ろやァ!」
襟を掴まれ、強い力で引っ張り出された。
その拍子によろけて転んでしまった。
「困ります不死川様!どうか箱を手放してください!」
後ろから隠の人が慌てて声を掛けた。
(いた……ほんと最悪…。てかこの人何喚いてんの…)
「だ、大丈夫ですか亂藤様」
後方からおろおろと声を掛けられた。察するに、この白髪の人も柱で、うかつに前に出れないのだろう。
じわりと感じる痛みに耐えながら起き上った。
ドスッ
「ぅっ」
本当に小さな呻き声だった。私以外誰も聞こえなかったかもしれないくらい。
見上げると、箱には刀が刺さっていて、血が流れていた。
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作者名:うみりな* | 作者ホームページ:http://blogs.yahoo.co.jp/haruhi_0204mind
作成日時:2019年10月29日 18時