3話 ページ5
一つ問題なのは、隊員がその鬼を倒しきれなかったことだ。
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「首を斬ったつもりがすごい速度で反応され半分ほどしか斬れませんでした。あの鬼は強いと思います。もう夜明けが迫っていて逃げて行ったので運良く俺は死にませんでしたが…、戦っていたら死んでいたと思います」
「つまりまずはその鬼を倒さなくては先に進めないということだね」
「はい…。不甲斐無くて申し訳ありません」
「いいや、君はよくやってくれたよ。報告ありがとう。もう下がっていいよ」
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「てことはその鬼を倒さないとこれが治るかどうかの判断もつかないということですか?」
「現状ではそうなりますね」
「具合が悪くなったらすぐに教えてくださいね」
「ありがとうございます」
「まだ本調子ではないでしょうからお休みください。もしお暇でしたらこの屋敷内はご自由に歩いてもらって構いません」
まだ混乱は続いているが優しい女の子に囲まれ少し安心した。
その夜にはカナヲちゃん、アオイちゃんと出会った。
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一ヶ月が経つ頃には私の体調は全快だった。
まだ体が小さいのは変わらないが、それ以外は何事も無く元気だった。
洗濯掃除料理を手伝いながら空き時間でみんなと遊んでいた。
カナヲは鬼殺隊員として任務に赴き不在になることが多かった。
アオイも強くて、暇な時に木刀で素振りの仕方を教えてくれた。
「ねえ…私、このままここにいていいのかな」
朝日に照らされながら洗濯物を干していたとき、ぽつりと出た。
「さあ……。でもお館様から指示があるまではこのままでいいと思うわよ」
「お館様…かあ」
お館様ってどんな人なんだろう。
そういえばあのお医者さん全然来ないけどどうしているのだろうか。
「ごめんくださーい」
その時門の方から声が聞こえ、私とアオイはそちらに向かった。
門にいたのは隠の人だった。
「亂藤様にお館様から明日の柱合会議に出席頂くよう指示が出ました。明日の夜明けに出発しますのでご準備お願いします」
「柱合会議ですか!?どうしてそんないきなり…」
アオイが驚いた。
「元からお館様は決めていたようです。亂藤様の回復を見て丁度良い機会との指示です」
当の私は柱合会議ってなんじゃそりゃという思考でいっぱいだった。
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作者名:うみりな* | 作者ホームページ:http://blogs.yahoo.co.jp/haruhi_0204mind
作成日時:2019年10月29日 18時