【魔主役】先輩と脅威 (ページ8)

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ヘラヘラページ8

我々師団が生徒会にこっぴどく叱られた次の日、先輩は学校に来なかった。

【先輩どしたん？】

【悪周期だよ〜】

どうやら、先日のゾムとの一件で溜まってしまっていたらしい。昨日は叱られた後、早退していたそうだ。
しかし……

「なんか先輩ちゃうくない？」

「う〜ん、なんかな…」

先輩から来た連絡は悪周期を知らせるもののみだったが、我々師団の面々は先輩の文面の違和感に気づいた。

「こりゃ〜凸るしかないっしょ」

イロニーである。行動原理は言わずもがな面白そうだから。というわけで、今我々師団の面々は先輩の家の前にいる。

｢おい、誰か行けよ｣

｢む、ムリ｣｢嫌っす｣

我々師団の面々は、女子の家は初めてだった。ウツ以外は。しばらく家の前でウロウロしていたのだが、先輩の家の扉がガチャリと開いた。

｢お、おい！開いたって！｣｢通報されてるんじゃ…｣

扉を開けたのは小さな男の子だった。先輩の弟だろうか。とメンバーたちが思案している間に、先輩の弟(仮)が寄って来た。

｢お兄ちゃんたち、姉のコイビトなの？｣

｢コｯｯｯｯ｣｢ませてんな｣｢逆ハーじゃん｣

｢そうやで！｣

と肯定したのはウツだった。バカ！と皆から批判されるが恋人の体で行った方がええやろ！と指摘されて反論できない。
ウツの言葉を聞いた先輩の弟はパァと少しだけ表情を明るくして、彼らを家に招き入れた。

｢パパとママは？｣

｢親はきょくどのこみゅしょうなのです｣

かわいい。ホワッとした空気が場を包む。なんだ、このかわいい生き物。と弟くんに着いて行くと、おそらく先輩の部屋であろう扉の前に案内された。

｢姉！コイビトなのです！｣

あっ、言っちゃった。と後悔先に立たず。先輩の部屋の扉がゆっくりと開いた…

｢あ！やっほ〜みんな｣

なんということでしょう。どうしようもない陽キャ女子がそこにいた。

｢じゃあ、あとはわかいみなさんで｣

キミの方が若いよね…と弟くんにツッコむ暇もなく、先輩に部屋に引きずり込まれた。途端にゾムとシャオロンにくっつく先輩。ワァ……と某ちいのかわのようになるシャオロンとパァァと目を輝かせ、遠慮なく先輩に抱きつくゾム。

｢先輩の極甘デレイベント！？｣

先輩の悪周期ってこんななんだ…と手をわきわきさせながら言うウツ。シャオロンが頬を赤く染めながらトントンの所へ避難してきた。