クスクス ページ7
家系能力｢ギグル｣
先輩の家系は笑わない人ばかりだ。
生まれたばかりの赤ん坊の頃なら、赤ん坊らしくけらけら笑っていた。しかし成長するにつれ、笑うことが少なくなってくる。笑うエネルギーを源に、魔力を生成するからである。笑えば笑うほど、魔力は増える。実質無限である。
弊害もある。笑うごとに魔力が増えていくので、悪周期が他悪魔よりも短い周期でやってくる。
故に、先輩は魔力を消費している最中笑いが漏れる。
｢！！せんぱ〜い、楽しんでる？｣
｢えぇ、楽しいわね｣
鼻血を出しながら口角を上げる先輩は、些か魅力的に見えた。ゾムの爆弾も上手くいなしている。
｢やっぱり先輩好き！！｣
1年生にしては強すぎたゾムにとって、本気で
と、軽口を叩き合いながら遂にゾムは家系能力の切り札『溶岩遊泳』を発動……
バチィィィン！！と防がれた。
先にはいつの間にかシャオロンがいた。
「お、おぉぉぉぉ落ち着けぇぇ！」
焦った様子で間に割って入ってきた。どうやら、一緒にいた大先生やトントンにけしかけられたらしい。
一気に冷めた2人は羽をしまって地に降りてきた。
登下校の道で大乱闘をしていたのだ。二人は。
そうなるとやはりギャラリーはたくさんいるわけで。
バビルス生徒がいつのまにか周りを囲んでいた。中には生徒会の人も見える。これは、やばいんじゃないか？
「やべぇ！逃げろ！」
と誰かが叫んだのを皮切りに、我々師団メンバーが一斉に飛び出す。
なんか……楽しいな。クックッと笑いが込み上げてきて、涙が出てきた。
「え…」
「先輩？」
あっはっはっ！！！と大笑いしてしまう。あぁ、魔力が急激に増幅するのを感じる。
「先輩が……わろてる…」
そう言ったのは誰だったか。
結局次の日には、我々師団は生徒会にきっちり叱られたのであった。
後日、先輩のクラス
｢ねぇ！昨日なにがあったの？｣
悪魔の性で痺れを切らし、先輩に声を掛けたクラスメイト。
｢…ただの痴話喧嘩｣
心做しか嬉しそうにする先輩の姿が、そこにはあった_____
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アスルル - キラキラ(๑•̀ㅁ•́๑)✧楽しみ〜！ (8月15日 10時) (
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作者名：小鳥 | 作成日時：2023年5月18日 0時
