あざとい天使。(緑) (ページ36)

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『亮平、帰ってこないんだけど』

そんな1日目を過ごした日から1週間。

夜寝る時に隣にない温もりが寂しくて、ちょっと亮平の服を着てみたり…しちゃったけど、

仕事も忙しかったしそれなりに楽しんだ1週間になったとは思う。

だけど、1週間経っても亮平は帰ってこなくて。

『え…このまま帰ってこないとか…ないよね…？』

って不安になる。

もしかして亮平、私を心配させないためにああ言って離れたんじゃ…？とかどんどん考えてしまって。

そんなことを考えながらスーパーで買い物を済ませ帰る帰り道に、

『あ』

なんだか見覚えのある人。

『佐久間さん！』

｢およ？…あー！ひさしぶり！元気だった？｣

突然話しかけてしまったにも関わらず明るく手を振ってくれたもう1人の天使さん。

佐久間さんなら何か知ってるかな？って思って。

『元気！佐久間さんも変わらず？』

｢うん！元気だよ〜！阿部ちゃんはおうち？｣

この様子だと何も知らないのかな？

『あ〜…そのことでちょっと話したくて…』

私はかいつまんで事情を説明する。

｢にゃるほど〜〜〜｣

なんておどけた様子ながらも真剣に考えてくれる佐久間さん。

｢ん〜、阿部ちゃん、1週間くらいって言っただけなんだよね？"くらい”だからちょっと長引いてるだけじゃないかな？｣

『だといいんだけど…』

｢天使ってね、天使だから企業もホワイトなの。残業とかさせてくれない。その分日数かかっちゃってるのかもしれないし｣

おお、なるほど。それは確かに天使だ…？？？

天使とブラック企業って結びつかないもんね…ってそうじゃなくて。

｢それに阿部ちゃん、もしほんとにお別れしなきゃいけないってなったらちゃんとお別れを伝える人だと思う。それは俺が保証するでやんす！｣

ってニコニコの笑顔で伝えられるから、そうなのかな？って気分になってきて。

『ありがとう、佐久間さん』

｢いえいえ！お役に立ててなにより！｣

阿部ちゃんもきっと、不安げに待ってられるより笑顔でドーンと待ち構えてて欲しいと思うよ！

って励まされたから、その通りだなって。

『なんか元気出てきた！』

｢うんうん、その調子！｣

ってまたニコニコ励ましてくれて、ありがとうばいばーいってそのまま明るく別れた。