あざとい天使。(緑) (ページ24)

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背中に立派な、天使みたいな真っ白な羽根。

少し大きめで、ふわふわしていて、天使みたいっていうか亮平いわく天使らしいけど。

どこから出てきた？今までなかったよね？

いやそれより足が浮いてるんだけど！

亮平は上にすーっと浮かび上がったあと、たいして広くもないリビングをふわ〜っと移動している。

「わ〜、この感覚久しぶりだ。ちょっと浮くくらいなら出来るけど、こんなにガッツリは羽根をしっかり出さないと飛べないからな〜」

なんて私のことを忘れてるんじゃないか？というくらいただシンプルに、久しぶりに飛べたらしいそのことに喜んでいて。

えっと、理解が追いつかないんだけど…。

「ふふ、A時々ヒヤッとしたこと言うから俺結構焦ってたんだよ？」

なんて話せたことにスッキリしたのかいつものようなかわいい笑顔で私にそう告げる。

思い返してみれば、あの時もあの時も私が"天使”という言葉を出すと動揺していたな、なんて思い当たる節がたくさんあって。

だからといって、目の前のこの人が本当に天使だったなんて誰が気づくんだろう。

『えっ、亮平って空から来たってこと？』

「うん、そう！雲の上に住んでいたんだよ」

その言葉は普通の人ならあまりに信じられないことだけど

"雲の上、ひさしぶりだ〜！”

今日プラネタリウムを見る前に言っていた言葉は、本物の雲の上のことを指していたんだ…なんてひとつひとつのパズルのピースが埋まるみたいに疑問が解決していく。

『じゃあ、もしかして佐久間さんも…』

「佐久間も天使なんだよ。天文部って言ったけど、本当は天使仲間なの」

てん…まで言いかけて一瞬言い淀んだ亮平のことを思い出す。ああ、確かに。

私が少しずつ理解をしていったところで、ひとつの疑問が思い浮かぶ。

『じゃあどうして、天使なのにここに来たの？』

それは天使だという彼の言葉を信じるなら、当然浮び上がる1番の疑問。

だけどその言葉に、目の前の彼は少し顔を歪ませた。