あざとい天使。(緑) (ページ19)

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「あ、そうだ！」

時刻は昼下がり。

テレビでたまたま流れていたバラエティをぼんやりと眺めながら過ごしていると、突然亮平が何かを思い出したかのようにそう告げる。

「ねえ、今度どこか遊びに行こうって約束したの忘れてない？」

『え？……あ……』

そういえばそんなこともあったなあ、とぼんやり思い出す。

確か、私が先輩とご飯に行くと告げた時。拗ねる彼に私は今度遊びに行こうと条件をつけてご飯に行ったのだった。

「ほら、忘れてたでしょ」

私の反応にぷく〜と頬を膨らませながら、揶揄うように言う。

『…ごめんごめん！どこ行く？』

取り繕うように軽く謝ってそう問えば、"ん〜”と人差し指を顎に当てて考え込む亮平。

今日もあざといね。

「プラネタリウムとかどう？」

そういえば以前佐久間さんが来たとき、元天文部だと言っていたっけ。

だから星に詳しいとかなんとか。…プラネタリウムは解説ついてるから星に詳しい必要がない気もするけど。

『いいよ。じゃあ明日行こっか！なんかひさしぶりかも』

最後にプラネタリウム行ったのっていつだっけ…もしかしたら学生の時かもしれない。

「やったあ！楽しみだなあ」

すっかり機嫌を良くしてふんわり笑う彼は軽くふわふわ浮きながら冷蔵庫へと向かい、お菓子を取り出している。

楽しそうだなあ……

ぼんやり眺める私は、"ふわふわ浮きながら”向かったという違和感に気づかないでいた。