Jack of all trades (ページ6)

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STORY_00 なぞのしごとページ6

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松田「こういうお仕事、初めてでしょ。」

ぷし、と音を立てて片手でプルタブを開け、黒くて苦い液体を喉に流す。
下校中の小学生を見下ろしながら、俺はうん、と頷いた。

松田「意味分かりませんよね、幽霊とか超能力とかそういう非科学的なこと言われても。」

俺も最初はそうでしたよ、元太はそう言って俺に向かってにっこりと笑って見せた。

宮近「今はもう受け入れられたの？」

松田「この世界に入ってもう2、3年経ちますからね。流石に慣れたかも。」

空を眺めて流れる雲を目で追いながらそう言う元太は年下には見えない。

宮近「敬語使わないで良いよ」

なんか堅苦しいし。
すると元太は目を輝かせて俺の手を掴んだ。

松田「ホント？！嬉しい！じゃあ俺ちゃかって呼ぶわ！宮近の、ちゃか！」

宮近「あぁ、あぁ良いよ、分かったから、ね、もう手、放していいよ」

ブルンブルンと勢いよく腕を振るものだから、少し痛くて、でも何だか嬉しい気持ちになる。
小さな子供のようで、大型犬のようで、それでいて真面目な時は出来る奴で。
そんな元太が少しだけ、羨ましい。

それから俺達は、如恵留さんが屋上に呼びに来るまで、時を忘れて色んなことを話した。
海人の性格の事、如恵留さんの変態チックなところ、元太の趣味や俺の好きな事。
勿論今まで解決してきた事件の事やその解決方法等も沢山聞いた。

松田「あと、多分敬語使ったら海人に嫌われるから」

宮近「ぅえ？そんな？笑」

松田「ホントだよ！笑い事じゃないし！俺1ヶ月位敬語抜けなくてめちゃくちゃ冷たくされたから！」

ぷっ、
はははっ！
あはは、

何だか上手くやっていけなさそうだと思っていたけどこの人が居れば何とかなりそうな気がしてくる。

宮近「すげぇな、ほんと。」

松田「？何か言った？」

宮近「いや、何でもない」

そんな事をぼんやりと思った、

俺の出勤初日、午後6時。