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File.02_04 ページ21
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中村「こっち、」
松田「了解」
成る可く足音を立てないように摺り足で歩く。
砂利とコンクリートの境目で拳銃を取り出して、2人で構えた。
ドアの隙間から覗いたその中に人気はなく、酷く静かだった。
よくよく目を凝らして見ると、部屋の隅に置かれた小さな椅子に、何かが括り付けられてもぞもぞと動いている。
中村「元太、あれ、見える？」
その方向を顎で指し示すと、元太は目を大きく見開いて「あれ、うちの課長さんだよ」と一言。
中村「…やっぱり、そうか。」
松田「どうする？他に仲間がいたら……」
中村「そん時はそん時でしょ。能力使うしかない」
松田「でも、」
中村「大丈夫、"あの時"みたいにはならないようにするから。」
あれから俺は必死に力をセーブする方法を考えて、努力を重ねて…今の課にいるんだ。
思い出したくもないあの惨劇を、二度と繰り返すものか。
中村「行くよ。」
，
倉庫の中は薄暗く、どんよりと埃っぽい。
入口付近で敵が居ないことを確認すると、俺と元太は如恵留くんの元に駆け寄った。
中村「如恵留くんっ！！」
松田「如恵留！」
ぐったりしている如恵留くんの額には汗が浮かんで、眉間には苦しそうに皺が寄っている。
手首に食い込む縄と、苦しそうな口元に貼られたガムテープを取ると、ぷは、と息を吐き出した。
川島「はぁ、っ、ありがと、」
随分と辛そうな顔に、元太と思わず顔を見合わせる。
中村「何があったか、ちゃーんと教えてよね？」
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作者名：ちゃっぴ | 作成日時：2021年4月8日 17時
