疑心 ページ5
何も言えず明王の部屋を出ると何故か扉の前にマネージャーの女の子が立っていて、目がかち合う。
「あっ…ごめんなさい。大きな声と物音が聞こえたから…何かあったんじゃないかって思って。」
彼女は慌ててそう言い訳する。少し騒ぎすぎたみたいだ。
この手の女は察しがいい上にお節介だからうまく取り繕わないと。
「ああ、ごめん秋ちゃん。大丈夫だよ。ほら明王、素直じゃないとこあるからさー。よくあることだし。」
そう言うと彼女は納得して、「そっか。何かあったら遠慮しないで言ってね。」と言って去る。
おれもそれと反対方向に踵を返して歩く。早歩きに。
久しぶりにあいつがやって来た。視界に小さなギラギラが現れる。
近くの男子トイレに入って顔面を便器に突っ込んだ。トイレ特有の匂いがますますおれの吐き気を掻き立てる。
「ぅ”お”っ、お”え”えええぇッッ」
ゴブゴブゴブッ、と胃から逆流した液体が体内で音を立てて勢いよく迫り上がる。
口から胃に物を詰めるのはなんてことないのに、どうして胃から口へ戻ってくるこれってこんなにも苦しいんだろう。
「はあーっ、はあーっ、はあーっ、はあーっ。」
大きく肩が上下に揺れる。暴走する胃を落ち着かせるように大げさに呼吸をした。
「大丈夫か。」
「！」
突然背後から声をかけられビクリと体が小さく跳ねた。誰の声だ。目視で確認しようと思っても振り返ることすらままならない。口からどろりと胃液と唾液の混ざったそれが、便器の中へ糸を引いて落ちて行った。
後ろに立つそいつはおれが全部吐き出して落ち着くまで背中を黙って撫でていた。
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19 - 星猫さん» 優しい…ありがとうございます。イナズマイレブンシリーズはアレスとオリオンも含めて全部みました！同じlevel5作品だと妖怪ウォッチも好きです(^_^) (2021年9月8日 12時) (
レス) id: 4071e07d98 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃがしました。また高評価しました！知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月8日 11時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
19 - 星猫さん» ありがとうございます！！嬉しい、、自給自足ですが励みになりました。今後も1日1更新、書き殴り続けますので暇つぶしにでも見ていただければ^^ (2021年9月7日 22時) (レス) id: 39de8a0c35 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月7日 20時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：19 | 作成日時：2021年8月30日 21時
