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「お前存外貧弱な身体してんのな。」
先にホテルに戻ったおれはギリギリと痛みだ頭痛が苦しくなり、ベッドに横になった。少しずつ遠退こうとする意識の中、人の気配に反応して覚醒する。気づけば涼しい顔した明王が部屋に戻っていた。
「だからその石が必要なんだってばー。今はその石のペンダント、明王が持ってんだからさ。明王がおれの傍に居てくれないとおれしんじゃうかも。」
「気持ち悪ィ。」
今言ったことは嘘でもない。ボロボロの身体はエイリア石の力によってなんとか保たれている。ただ少なくとも、今はおれがいないと明王はこの計画を最後まで遂行できないので、おれを殺すような真似はしないはずだ。
「んで、護送車のほうはうまくいったん？」
「いってなかったらこんな不毛な会話してるかよ。」
「さすが明王。」
おれが丸まって寝込むベッドが突然ギシ、と乱暴に揺れる。ベッドの角に明王が座っているのが目の端に写った。
「影山から伝言だ。一流のプレイヤーを集めろとな。」
影の潜む明王の横顔はどこか嬉しそうだ。その顔を見ておれはなんだか満たされた気持ちになってしまう。
「そっか。なんか、そんな事言われる気がしてた。…さて、誰を誘い込むかなー。」
「お前、俺の指示に従う約束、忘れてんじゃねえだろうな。メンバーは俺が全員集める。てめえは黙って俺の言うこと聞いてろ。」
「はいはい。とんだ俺様だなあ。」
明王は俺の服従に満足げに笑うと、ふと表情を変えおれに問う。
「やっぱ何か、生臭ェ。お前から匂う。」
「え。失礼じゃない？おれ人なんてころしてないよ。」
「別にそこまで言ってないだろ。お前が言うと全部胡散臭ェ。」
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作者名：19 | 作成日時：2021年8月16日 0時
