閃輝暗点の夜【イナイレ】 (ページ24)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:1,176 hit

血肉ページ24

「彼女は、一体何者です。」

病室で眠る少女を二人の大人が取り囲んでいた。
一人は某サッカー部のとある監督、一人は某署のとある刑事。

「おひさま園の園児ではないが、今回の事件に関わっていた。２年前からエイリア石の実験に使われていたそうだ。あの影山脱走の件にも加担させられいる。
騒動の最中、強大なエイリア石のパワーに拒絶反応を起こして倒れ、以来未だに目が覚めていないらしい。吉良本人からの情報だ。」

彼女の存在が明るみになったのは地上最強イレブンがエイリア学園を破り、吉良星二郎が逮捕された後のことだ。
吉良の供述によりようやく発覚した。

「可哀想に。彼女もまた、エイリア学園騒動の被害者というわけか。」

「どうも、不動明王をそそのかしたのも彼女の仕業らしい。もっとも、不動は彼女のことを”兎と名乗る男”と話していたが。」

「不動明王を…。」

「とにかく本人に事情聴取しないことには詳しいことはわからない。吉良も彼女の身元を把握していないと言っていた。家出少女だったそうだ。今、未成年行方不明者の捜索届けの中に彼女と一致する人物がいないか捜索しているところだ。」

強いトラウマからエイリア石に拒絶反応を起こし洗脳が失敗に終わった彼女は、以来１ヶ月ほど病院に眠ったままだ。

それから間もなくのことである。エイリア学園騒動によりパンク状態の警察署が彼女の身元を確認するよりも前に、病室から音もなく消えたのは。