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夏休みはあっという間に過ぎ、秋が終わり、冬が来た。
身体も心も寒い、11月下旬の冬。
当たり前に、私は丈くんといる時間の方が多かったし、正直、スエのことなんて何も思っていない自分がいた。丈くんが転校してきてからそのまま席替えをすることもなく、私の隣にはいつも丈くんがいた。
『 っあ、やべえ！A宿題やった？！ 』
「 やったよ、もしかしてまた丈くんやってへんの？！ 」
『 な〜、一生のお願い！写させて！ 』
「 ちょ、一生のお願い昨日使ったやん！何個持ってるん！ 」
『 それは昨日の分、今のは今日の分！頼むから〜 』
「 もお…、今度何か奢ってやぁ？ 」
『 もち！サンキュ 』
くだらないやり取り。そこには笑顔がいつもあって、心地よかった。私にとって、私の隣は丈くんで、丈くんの隣にも自分がいて。ずっと笑っていられた。楽しかった、嬉しかった。単純だけれど、丈くんが好きで好きで堪らなかった。その笑顔を私だけのものにしたいと思った。
その頃の私は、目の前のことにいっぱいいっぱいだったんだ。誰の気持ちも考えることができなくて、自分の気持ちにさえも正直になれずにいたのに。丈くんといると楽しい、そんな日々の中でどこか心に引っかかる虚しい何かから目を背けていた。
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「 なぁ、付き合ってんの？ 」
「 っ、……何が 」
「 何がって、アイツ。転校生と 」
12月に入ってすぐだった。
その日はすごく寒くて、空気がとても澄んでいた。学校の帰り道、街灯に照らされて電柱にもたれかかっていた姿に心臓が飛び出すかと思うくらいには緊張していた。灯りの元には、懐かしい姿。ぐるぐるとマフラーを首に巻きつけたスエがいた。こんな風にスエとちゃんと話したのは中学以来だと思い出して、あの頃が蘇る。
「 …付き合ってへん 」
「 ほんまに？ 」
「 ほんま、っ……てスエには関係ないやろ 」
「 何でそんなこと言うん、 」
「 何でって、… 」
「 久しぶりに口聞いたと思ったら、 」
「 それはスエが………！ 」
言いかけて、はっとした。顔を上げた先には、眉を下げて悲しそうに笑うスエ。分からない、何でか分からないけれど胸が抉られるように痛む。ひゅうっ、と彼が口を開いてはぁと白い息を零した。吐息は真っ暗な夜に溶けて空へとなくなった。
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山田さんちのきりたんぽ(プロフ) - めっちゃキュンキュンします！丈くんも、スエ様も、どっちもカッコイイですm9(+ゝω･´+)ｶｯｺｲｨ───ｯ☆これからも更新頑張ってください(*｀･ω･)ゞ応援しています！ (2018年8月31日 10時) (
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作者名：ナナセ。
| 作成日時：2018年8月30日 20時
