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「ちゃかちゃん」
「お疲れのところごめん。
ちょっと時間もらえるかな」
「うん、でもここに居てバレたら危ない。
他の場所でもいい?」
ちゃかちゃんが頷いて
2人歩き出した
.
「いきなりごめんね」
ううん、と首を横に振って答えた
ちゃかちゃんとも会うのはあの日以来だ
「ごめん自分のこと黙ってて」
「正直に言うけど、驚いた」
「……」
「ただそれだけ」
「え」
「人に言えない事なんて誰しも抱えてるし
ただ言いたいのは…」
「もっと松倉の事、頼ってあげて」
真っ直ぐ私を見つめて伝えてくれた
「でも…私のことで背負わせられないし…」
「好きだから背負いたいんだよ」
言い終わる前にちゃかちゃんが被せてきた
「1人で抱え込まなくていい。
松倉もいるし、俺だっているから」
両親が亡くなって以来
おじいちゃんおばあちゃんはいたけど
なるべく頼らないように
生きていこうと思ってた。
海人がいなくなっても
自分が甘やかしたせいでもあるからと、
誰にも頼らず
生きてきた。
「1人じゃないんだよ?」
そうちゃかちゃんから言われた瞬間
溜めてた涙が溢れ出てしまった
それに、と続けてちゃかちゃんが言った
「あの店に長いこと通ってるけど、
3人で飲むコーヒーがいちばん美味しかったからさ」
待ってるよ、と言葉を残して
ちゃかちゃんは帰って行った
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作者名:いろは | 作成日時:2021年2月21日 13時