海の泡 (ページ21)

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本当に本当に綺麗だったの

太陽はまだ出ていないのに

暗闇を力強いオレンジの光が突き破る空の姿を見て

《明けない夜はない》

どこかで聞いた言葉が脳裏をよぎった

私の事を海斗に何も話していないのに

知ってるかのように

言葉にせずとも励ましてくれているような

そんな気持ちになった

その後に眩しいくらいの陽を

身体中に浴びる

汚れた自分がこの朝陽に当たってる時だけは

綺麗になった気がするの

そして

朝陽を見て泣かなかったのは初めてだ

海斗が手を握ってくれていたからだろうか

海斗の手は小さくも温かくて強く握って

「大丈夫、そばにいるよ」

そう言ってくれている気がした

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「今日も朝食どう？」

「え、いいの？」

「一緒に食べた方がより美味しいから食べよ！」

ああ

この人の笑顔は私を元気にしてくれる

太陽みたいだ

ｶﾗﾝ

「あ、どうも」

カウンター席に座る私に

会釈した宮近さん

「ちゃか！オープン前だよまだ！」

「いいじゃん開いてるし。俺も一緒に食べたい」

いつもの、に追加しといて。と続けて言っていた

男はみんな一緒だと思っていたけど

この2人は違う

わかる

まだ笑えそうにないけども

2人が作ってくれる

暖かい時間が

とても心地良かった

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