髙木さんと伊野尾さんの短編集3 (ページ33)

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「たかぎぃ。俺ね、たかぎのことすっげー好きなんだぁ。ごめんね。好きになっちゃって。絶対好きになっちゃいけない人なのに。だから夢の中だけでもいいから言わせて。たかぎ大好き。世界で一番大好き。夢に出てきてくれてありがとう。」

そういって俺の胸から顔をあげて俺を見つめてニコッと笑った。笑いながら涙が一粒溢れ落ちる。

俺はそれを見て、なんか自分の気持ちが抑えられなくなっちゃって、伊野尾君の唇に自分の唇を重ねる。優しく何度も啄むようにキスをする。

「はぅ。はぁ。」

とキスの合間に漏れ出る伊野尾君の声が艶めかしい。それに煽られて、俺はもっと深いキスをする。伊野尾君の唇の隙間から自分の舌を滑り込ませ、伊野尾君の口内の裏や歯を舐めまわし、伊野尾君の舌に自分の舌を絡める。

「はぅ、はぁ、んふ。」

と伊野尾君が少し苦しそうに息をしだしたからゆっくりと唇を離す。

「すっごい気持ちいい夢。」

と言って俺に抱きついてきた。しばらく背中を撫でてたら、スースーと伊野尾君の寝息がまた聞こえてきた。俺はそーっと伊野尾君をベッドに寝かせて離れようとした。その時、伊野尾君の手が俺の服の裾を掴んだ。

「行かないで。」

「え？」

伊野尾君を見るとまた目から涙が溢れてる。

「夢の中でくらい一緒にいてよ。」

と言ってきた。俺はもう伊野尾君が愛しくて、そんなこと言われたらもう他のことはどうでも良くなって、部屋着にも着替えないまま、帰ってきたまんまの格好で、伊野尾君の隣に横になった。伊野尾君は目を開けることのないまま俺の胸に顔を押し付けてきた。そしてそのまま寝息を立て始める。俺は伊野尾君をそっと抱きしめ、ゆっくり頭を撫でた。

「はぁ。人の気も知らないで。」

そう呟いて伊野尾君を見つめる。このまま朝を迎えてしまったら俺たちはどうなってしまうんだろう。そう考えると中々寝付けなかった。

それでもやっぱり疲れていたのか気がついたら眠ってしまっていて、朝伊野尾君の声で目が覚めた。