髙木さんと伊野尾さんの短編集3 (ページ29)

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途中からのいのちゃんは酷かった。

「ねぇ大ちゃん。俺もうしんどい。」

「え？何が？」

いのちゃんが俺に弱音を吐くなんて滅多にない。相談することもほとんどない。俺は悪気なく大きな声で言ってしまって他の人に知られてしまいそうなんだと。だから今日いきなりそんなこと言われて驚いた。

「もう俺、髙木と普通には遊んでもらえないかも。ってか多分髙木に避けられてる。」

「え？は？どういうこと？」

「髙木さ、俺が免許取ってツーリング行こうって言ってたのに半年間も結局一緒に行ってくれなくて、で、番組使ってやっと行けたって思ったの。髙木もスッゲー楽しかったって言ってくれて、また行こうって言ってくれたのに、やっぱり俺が誘っても断られる。」

「それはたまたま用事があったからじゃなくて？」

「これだけじゃねぇんだよ。あんなに一緒に遊んでたのにいつの頃からか誘っても断られるようになって。仕事の時とかは普通に仲良くしてくれるし、絡んでくれるし、変わらないのに、プライベートで一緒に遊ぶってなったら避けられてる。俺なんかしたかなぁ。」

「でもこの前松岡君たちと飲んだって。」

「2人きりじゃなければいいみたい。JUMPのメンバーの誰かがいたら一緒に飯食うこともあるし。」

と言って落ち込む。落ち込んでるせいか酒もどんどん進む。

「ツーリング誘って断られた時やっぱりって思ったんだ。もうプライベートで遊んでくれることはないんだって俺勘づいちゃったの。でもさ、普通に仕事の時は優しい。しかもめちゃくちゃ優しい。この前のアリツアの時だって、俺上着持ってくるの忘れて寒がってたら上着俺の使えってかしてくれるしさ、インライの時だって俺が行くの遅れたら迎えにきてくれるし。もう本当に意味わかんねーんだよぉー。」

と言って散々愚痴って酔っ払って寝てしまった。