髙木さんと伊野尾さんの短編集3 (ページ2)

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「え？」

伊野尾君にキスをねだられて昔の記憶が蘇る。

俺は伊野尾君とギスギスしていた関係から急激に仲良くなっていった時に、テンションが上がると伊野尾君にキスをしたりしていた。もちろん軽いやつ。伊野尾君が女の子みたいに可愛くて、親友として大好きで、伊野尾君もノリがいいから、本当におふざけの延長で軽いノリでしていた。別に深い意味はなかった。そういうノリって男子にはよくあるじゃん？光君もライブとかで知念にしてたし。

そして伊野尾君からも俺にキスをねだってくるようになった。俺はそれもおふざけの延長線上だと思って軽いノリで応えていた。

でも、ある時、、、伊野尾君から

「ね、たかきぃ。キスして。」

っていつもみたくキスをねだられた時の伊野尾君のキス顔を見て、一瞬ドキッとしてしまったんだ。

その時は『いや、まさか』と思って、伊野尾君のおねだりに応えて軽くキスをした。でもそのキスで俺の体が反応してしまった。ドキドキと心臓の鼓動が速くなって身体の熱が上がっていく。キスした後に伊野尾君がふふって笑って少し照れた顔を見て、さらにドキドキが高まった。あ、これはヤバいって思った。このままいったら本気になってしまう。

俺はそれ以来伊野尾君にキスをしなくなった。本気にならないように。でももう遅かったんだ。気が付いたら伊野尾君を目で追い、伊野尾君に体が反応するようになっていた。だから伊野尾君と距離を置いた。なるべくプラベで会わないようにしたり、楽屋で2人きりにならないようにしたりして。それでも好きな気持ちは消えないから、親友という枠をはみ出さないように仲良くした。自分にそう言い聞かせて。

1番きつかったのはしばらくの間伊野尾君がキスをねだってきたこと。その度に自分の気持ちを押さえるのが大変だった。軽くあしらった後伊野尾君があからさまに傷ついた顔をするから堪らなくて。そんなに傷付いた顔しないでよって思った。伊野尾君にとってはただのおふざけの延長線上でしょ？って。なのにそんな傷付いた顔するのは狡いよって思った。

でもそうやってるうちにキスをねだられることも無くなった。そこに少し寂しさも感じていたけど、これで良かったんだって思ってた。なのに、急にどうして？