花火ひらく

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いくらさっきまで会っていても、おやすみ、と連絡をくれること。

愛おしむような優しい瞳でわたしを見ること。

2人で部屋にいるときそっとくっついてきたり、
A、と甘く優しい声でわたしの名前を呼ぶこと。

そして、2人以外誰もいない家でそっとキスを交わすこと。



これが勝利と付き合いだしてから変わったこと。




わたしが分からなかった模試の問題を勝利がさらさらと解く。
シャーペンを握って、真剣に問題用紙を見つめる横顔が大好き。



「…見ないでよ、恥ずかしいわ」

「ごめんごめん、あまりにも好きすぎて！」

「かっこよすぎるからね、おれは」



ばかみたいに甘い会話もした。





勝利はわたしにキスはしても、指の一本も触れて来ようとはしなかった。
だから尚更、妊娠させたなんてことが信じられなかった。



そうしているうちに、1ヶ月という期限は刻々と迫ってきていて、わたしたちが一緒にいることのできる期間はあと僅かになっていった。

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