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蝉がミンミンジージーとうるさい。
ちりん、と鳴らして走っていく自転車。
川で遊ぶ子供たちの声が遠くで聞こえた。
昼下がりで、穏やかな風が吹いていたから、
勝利の黒髪が揺れていた。
コンビニでアイスを買った帰り道。
わたしはふとあと1ヶ月と言うことを思い出して、悲しくなってしまったから、その場に立ち止まってしまったんだ。
並んで歩いていたはずの勝利が少し先をいってしまって、
「A、どうしたの?」
って、振り向いた顔があまりにも優しくて、
なんとなく儚かったから。
「勝利はなんでここに来たの」
「それ聞く?」
勝利は困ったように笑って言った。
「友達の彼女を寝取ったから。」
わたしの心臓がどきり、と鳴った音がした。
想像もしてなかった答えだったから、
時間が止まったような気がした。
「…え?」
「ほんとだよ。まあ信じても信じなくてもいいけど。」
勝利はずっとまっくろな目で、わたしを見つめていた。
頭が考えることを拒否したみたいで、
ただアイスが溶けてしまうな、なんて思った。
そしてわたし、言ってしまったんだ。
「勝利、すき。」
勝利が目をまるくして息を呑んだような気がした。
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うみ(プロフ) - みみさん» ありがとうございます!わー励みになります(*^^*)!更新頑張りますね! (2017年9月20日 22時) (レス) id: fd193a6e8e (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 切なくて今一番はまってます!更新楽しみにしてます (2017年9月20日 21時) (レス) id: 70d3780250 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます。嬉しいです!これからも頑張ります(*^o^*) (2017年9月17日 9時) (レス) id: fd193a6e8e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - 言葉が綺麗で引き込まれます!これからも頑張ってください (2017年9月17日 0時) (レス) id: a2613cb03d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみ | 作成日時:2017年9月15日 23時