花火ひらく

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それは確か、8月の半ばにいくかいかないかくらいの頃のこと。

朝ごはんを食べているときに、
居間に貼ってあるカレンダーを見ながらおばあちゃんが

「佐藤さんちともあと1ヶ月くらいでお別れね」
なんて言ったのだった。



あまりにも勝利と一緒にいるのが心地よくて楽しかったから1ヶ月と言う期間に気づかないふりをしてた。




1ヶ月。

あまりにも短くて、あまりにも儚い。





そして、わたしは気付いてしまった。



勝利のことが好き。






好きだって気付いてから、

驚くほどわたしは単純で、あまりしたことがないお化粧をうっすらしてみたり、そんなに興味のなかったビートルズを夜遅くまで聴いて勉強したりした。


毎日がわくわくなデート気分。

1ヶ月という期間は目をつぶった。

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