遅い青春【赤】 (ページ27)

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あっという間に季節は変わり

関ジャニのライブの日になった

目の前には仕事をしているすばる

初めて見た顔だった

初めて聞いた声だった

あの頃の面影はない

アイドルの渋谷すばるだ

目の前に高校生くらいのカップルが座ってた

2人で笑って楽しんでいる

あの頃の私たちに少し似ている

あの時は楽しかった

本気で恋して

本気で泣いて

心の底から好きだった

愛してた

高校生ながらに絶対この人と結婚するなんて思った

やんちゃだった

すばるに別れを告げたあの日

どこかすばるが遠くに行ってしまうようで

別れという経験が少ない私は怖くなって

自分から別れを切り出した

トロッコですばるが前に来た瞬間一瞬だけ目が合って

『どうや？かっこよくなったやろ？』

そんなふうに笑ってと言うよりドヤ顔だ

あぁ馬鹿だ

馬鹿な過去の私

笑顔は簡単に作れるのに

うまく泣けない年になってから気づくなんて

何も変わっていない

そのままのすばるだ。

好きだ。だめだ、

過去の感情が今のとごちゃ混ぜになって押し寄せてくる

昔の面影だらけだ

そのままだ